ラーメン&つけ麺食べ歩き
ちゃぶ屋
(東京都 文京区)

店名 柳麺 ちゃぶ屋(ちゃぶや)
住所等 東京都文京区音羽1-17-16 【地図表示】
禁煙 タバコ可否不明
訪問日 2004年8月下旬 らぁ麺 700円 
2005年5月中旬 味噌らぁ麺 800円



〜ちゃぶ屋 その1〜

(各写真はクリックで拡大します)




お店の入口はちょっと奥まっています。
護国寺駅から2分ほど。
茗荷谷駅や江戸川橋駅も徒歩圏内。






営業時間など。
12時間営業ですな。






券売機の文字がちっさいですね。
味噌やザルラーメンもあります。
「らぁ麺」を購入。






コの字型の客席に厨房がビルトイン。
以前の奥の厨房はガラス張りになっています。






左側に見えるのが「製麺室」です。
ガラス張りで、まるでクリーンルームのようですな。
ちらっと見える大型冷蔵庫の中で
麺が眠っているのでしょう。






「CHABUYA SIO BRANCH」でも見かけた
麺箱のオブジェ。










2004年8月下旬 らぁ麺 700円



いやー、まさに「日進月歩」ですね。
常に「たゆまぬ研鑽」を続けて、バージョンアップしています。

スープも麺も実にオリジナル&ハイレベルな美味しさ。
その作り込みの深さ、厚さ、複雑さ、に感心してしまいます。
計り知れない「研究時間」を費やしている「味」。









香ばしく芳醇な旨味を湛えたスープ。
一口目からとても明瞭な旨味をしっかりと伝えて来ますぞ。
油で唇や指がツルツルするほど、
摩擦係数の低そうな油が使われてます。






平打ちのやや柔らかめの自家製麺。
スープのツルツル油が乗って、「ツルルン♪」と、
何とも小気味良い食感。
ノド越しは究極的摩擦係数の低さ。






一呼吸ですすり切れる適度な長さと、
油を塗ったような「ツルン、ツルン」な食感。
麺の一本一本が独立せず、あたかも「ひと塊り」となって、
何とも滑らかに口中を通り過ぎてゆく感覚。






なだらかなカーブを描く
すぼまった形の器。
なんかちょっと色っぽいですな。
( ´∀`)




2004年8月下旬 らぁ麺 700円 

久しぶりに訪問したら、店内の造りが「ガラリ」と変わっていて驚いた。
以前は、四角く低めの巨大テーブルが中央に鎮座していて、客が四方から座ると、まるで見知らぬ客同士で顔を見合わせてミーティングでもするかのようなちょっと落ち着かない雰囲気であり、かつ、厨房は奥に引っ込んでいた。しかし、今回は「厨房」が客席フロアの中央に移設されてビルトインされ、その周囲をコの字型にカウンター席が囲む形となった。

これだと目の前で麺茹でや盛り付けなど、アリーナ感覚で作ってくれるので、調理の様子を見ていて楽しく、活気も伝わって来る。この方がずっと良いと思う。
改装前はスタッフとの距離が遠かったが、これでグーンと親近感が出たし、それに、食べていても他の客と顔がチラチラ合わなくなったので、とても落ち着いて食べられる。椅子や壁のオブジェも「CHABUYA SIO BRANCH」と同じようなものに変わっていた。

以前、厨房だった場所は、ガラス張りになって仕込みスペースになっているようだ。左側にあった広い製麺室はそのまま残っていて、結果として、かなりの作業スペースを持っている事になる。

しかし、変わったのは厨房位置だけではなかった。登場したラーメンもかなりの変貌を遂げていた。
まず、器が「SIO BRANCH」と同じように底の深いすぼまったタイプになり、モヤシのトッピングがなくなっていた。揚げネギ(エシャロット?)が原型のまま入るようになり、背脂が浮かなくなり、チャーシューもバラ肉となっていた。

木製のレンゲでスープを飲んでみると、味のベース自体は変わっていないようだが、素晴らしい揚げネギの香ばしさとともに一口目からとても明瞭な旨味をしっかりと伝えて来て、以前にも増して美味しくなっている。
そして、表面的な旨味だけでない、素晴らしく奥行き感がある。深い深い底の知れない「味の深み」へと、引きずり込まれてしまう感覚だ。豚骨ベースに多様な素材を使っていると思うが、素材の元の姿が想像できないほど、渾然一体となっている感じ。
かなり研究している事がまじまじと伝わって来るとてもレベルの高いスープだ。
見た目にはさほど油が浮いているようには見えないが、スープを飲むと唇の周囲が油でツルツルし、器に触ると指までツルツルするほど、摩擦係数の低そうな油が使われている。

そして、さらに驚いたのは「麺」であった。
ガラス張りで広い製麺室があることからも判るように、こちらのお店は「自家製麺」だ。過去、訪問するたびに麺が毎回少しずつマイナー・チェンジしていたのは感じていたが、今回のものは、まさに「フルモデル・チェンジ」という印象。さらに、いまだかって他店では食べた記憶のない食味の麺だった。
見た目は平打ちのやや柔らかめの麺、そして一つかみすすってみると、「ツルルン♪」と、何とも小気味良い食感とともに一瞬で舌の上を通り越し、知らぬ間に「ゴクリ」と喉の奥底へと自ら進んで落ちてゆく・・・。

以前、「SIO BRANCH」で食べたときは、「ツルーーーリ」とする長い麺であったが、今回のものは「スルリ」と、一呼吸ですすり切れる適度な長さに短縮されており、さらに麺の一本一本が独立した食感ではなく、あたかも、「ひと塊り」、「グループ」、となって、舌の上、喉元、を何とも滑らかに通り過ぎてゆく。油の乗ったスープをたっぷりと身にまとっていることもあり、究極的摩擦係数の低さである。
歯で噛もうとしても、平打ちと言うこともあってか、歯と歯の間を身をよじるようにすりぬけて、あまりにも上手に喉の奥へと通り抜けてゆく。まるで、生きているウナギを手づかみしようとして、つかみ損なってヌルリと逃げられてしまうような感覚。

しかも、ひと塊りとなっていた麺が、しっかりと抱き込んでいた旨味タップリのスープを、飲み込む直前に喉元近くで炸裂するように解き放つため、麺を飲み込んだ後は口中いっぱいに美味しいスープがあふれ返る仕組みなのだ。
また、白ネギと万能ネギの二者が巧みに清涼感を演出し、油のクドさ、重さを見事に緩和し、中和している。

醤油の醸造風味も絶妙に「生きて」いて、味の輪郭もしっかりと出ており、以前はちょっと強すぎると思えた塩分も適度なものとなっていて、実に感心させられてしまう。
ただ、ちょっとはっきりした「旨味」が後付け的にも感じられたのと、器がすぼまっているため、薬味のネギ類をどかしてスープの純粋な味を堪能しようと思っても、口がすぼまっていると、多数浮いているネギ類を、どかしても、どかしても、またすぐ中央に集まってきてしまい、やたらとレンゲに入り込んできてちょっと邪魔に感じる事があった。レンゲかまん丸で大きいサイズと言う事も関係していると思うが・・・・。
また、食べ終わってからの後味的に、油のツルツル感と旨味のペタっとした感じが舌や口の中に残る感じはある。

チャーシューは巻きバラ肉だが、他の関連店、「はな火屋」「ぶしょう屋」などと同じ系統の味付けで、ちょっと焦げたような独特の香ばしさがある物。大きさ、厚さは普通で、脂身部分はトローリ、赤身はクニクニとした食感。
メンマはちょっと固めのゴリゴリする食感だが、細切りのためこれ位の固さが良いのかも知れない。しかし、ここでもすぼまった器のために、箸でつかんだ麺の中に、この固めのメンマがまぎれ込む確率が結構高く、せっかくの「ツルルン」という絶妙な麺のノド越しを楽しむのを、時折、邪魔されてしまう事がある。

久しぶりに食べて、ともかく常に「たゆまぬ研鑽」を続けているお店だなぁという印象を深くした。フロア配置もずっと良くなったし、それに合わせるかのように接客もとても良くなった。スープも実に日進月歩の印象だし、特に「麺の研究」においては、おそらく都内でも屈指の「こだわり」、「熱心さ」、「センス」を持つお店だろうと思う。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)




↓続きあり






〜ちゃぶ屋 その2〜




右手に見える渋い看板がお出迎え。
お店は音羽通りに面しています。
護国寺駅から徒歩2分ほど。
茗荷谷駅や江戸川橋駅も徒歩圏内。






柱に隠れてちょっと判りづらいですが、
左奥のドアが入口です。






入店してすぐ右に券売機。
ザルらぁ麺と迷った末、味噌らぁ麺を購入しますた。






左手には広大な製麺スペース。






ガラス製の水差しにセラミックボールと備長炭が入る
超豪華な「浄水」仕様。










2005年5月中旬 味噌らぁ麺 800円



パンチのある「味噌」味を前面に出した明瞭な「味噌」路線ですな。
添加物感のないスープはとても美味しいです。

豚骨スープに多めの油と背脂が散らされ、
どことなくトン汁テイストにも・・・。

ツルンツルンと滑らかな平打ち麺との相性は斬新な感じ。
すぼまった器はスープが冷めず最後まで熱々です。









スープ表面に多めの油と背脂が見て取れます。
スパイスや化学調味料で変にいじっておらず
本来の「味噌」の美味しさを最大限リスペクトした感じ・・。






やや短めで「ツルルン♪」とする口当たりの滑らかな麺は健在。
ただ、味噌スープには、やはり太麺が合う気もしますな。




2005年5月中旬 味噌らぁ麺 800円

今回、「ザルらぁ麺」を目当てで訪問したが、いざ券売機を目の前にして、ちゃぶ屋の「味噌らぁ麺」は美味しいと言う話をどこかで聞いた記憶が甦り、急遽、味噌らぁ麺を購入した。
味噌ラーメンというと、下手すると野暮ったい味になりがちに思え、普段はあまり食べないのだが、満遍なくレベルの高い味を提供するちゃぶ屋なら・・・・と、期待は高まる。

席に座ると「水差し」に目が行った。高価そうなガラス製の水差しにはセラミックボールと備長炭が入っている・・・ひょっとしてセラミックボールはトルマリン仕様かも知れない。
飲んでみれば、当然のように水道水のカルキ臭など微塵も感じられず、実に果てしなく清浄な美味しさのある水である。
ガラス製の水差しとセラミックボール・・・この贅沢な組合せは以前に「支那そばや」でお目にかかって以来だが、わざわざ高価で破損の危険性もあるガラス製の水差しを使っているのは、中身はひょっとして逆浸透膜浄水器(RO浄水器)を通した水なのだろうか。

水の中の不純物を究極的に取り去ってしまう逆浸透膜浄水器を通した水は、そのあまりの「純水」さゆえに、樹脂製の水差しに入れると樹脂が溶出してしまうほどであり、ガラス製の水差ししか使えないと言う。そうして一度、不純物やミネラルを限りなくゼロに近くした上で、新たに「味」を付加する意味でミネラル豊富なセラミックを入れるらしい。
確かに本気で飲み水にまでこだわれば、そこまでやらざるを得ない訳だが・・・。

いよいよ登場した味噌らぁ麺、前回のらぁ麺と同じすぼまった深底タイプの器で登場して来た。
個性の強い味噌スープにするのであれば、器の形はともかくとして、麺や具の仕様を変えてくるのかと思っていたが、意外にもその辺は普通のラーメンとすべて同一のようで、単にスープが味噌になっているだけのようである。

一口スープを飲んでみると、いきなり「ズドーン・・・」と味噌の強い風味が私の舌を直撃して来たのに驚くとともに、そのまま味噌の醸造風味が舌の中央でトグロを巻き、アグラをかいて居座ってしまうイメージ・・・にちょっと狼狽してしまった。
このパンチの強さ・・・・小手先技を弄せず、本来の「味噌の美味しさ」を全開にして舌の上へドッシリと届けて来るスープである。まるでボクシングで、様子見のジャブやフェイントがなく、いきなり体重の乗った右ストレートを直撃でくらったような気分だ。

味噌と言うと、やたらとスパイスに凝ったり、炒めた野菜の旨味を味方に付けたりしたスープが少なくないと思うが、こちらのラーメンはそういった「味噌以外」の要素に頼るのではなく、「赤味噌」を中心としたとおぼしき麹の風味がきれいに出ていて、ごまかしのない味噌本来の魅力を最大限にリスペクトしたスープを目指している印象を受ける。

しかし、かといって、決して単純な味噌の味わいに終始しているのではなく、豚骨ベースのスープ、多めの油分や揚げネギ(エシャロット?)、背脂の甘味などが加わって、深遠にして芳醇な風味を醸し出している。特に揚げネギの混じり合った箇所のスープの風味は、独特な芳ばしさを放っていてとても美味しい。ただ、器がすぼまっているせいか、揚げネギがゴソッと固まって団子状になってしまっていたのは、ちょっと食感的に気になった。

麺は前回食べた物と同じ、表面の摩擦係数が究極的に低い平打ち麺であり、やや短めで一呼吸ですすり切れる長さを大切にしている印象だ。すすると、油を塗ったような「ツルン、ツルン」な食感であり、噛み締めてみると、ふっくらとしていて、ちょっとシフォンケーキのような歯応えがある。卵も多めに使われているようで、味わい自体も大変に「上質」である。

ただ、せっかくの美味しい自家製平打ち麺であるが、味噌スープとの組み合わせでその真価を100%発揮できているかどうか、やや疑問に感じられる部分はあるように思えた。
やはり味の強い味噌スープとの組み合わせでは、食感の強い「丸太」もしくは「角太」の太い麺でないと、麺がやや押され気味に感じられてしまうのだ。
特に今回、歯応えの補強となるモヤシなどが入らないので、一層その傾向が感じられた。さらに形状的に麺と麺がくっつき易い「平打ち」の麺では、その麺と麺の間にスープを抱き込み過ぎると言う事もあると思う。

チャーシューはふっくらしていて、ホロホロほぐれるが、ほぐれた後は簡単にとろけたりせず、各断片毎にカサカサした舌触りが残って感じられる。今回はそれほどジューシーには感じられなかったが、味付けにはどこかしら日本酒のようなアルコール系の風味が感じられた。

メンマはかなり細めに切られているのだが、「ボリン、ボリン」とするかなり硬めの食感。キンピラゴボウをちょっと乾燥したような歯応えで、歯でゴリゴリ、グキグキ、噛み砕きながら食べる感じになる。その細さから麺と一緒に口に入ってしまう確率が高いので、その際はその食感の強さが気になってしまう。

三種類乗るネギ類が薬味として複雑な風味を醸しているのは良いのだが、スープ表面に多数浮くためか、食べていてちょっとわずらわしく感じられる面があった。
また、すぼまって深底タイプの器に麺とスープがみっちりと入っている感じで、モヤシや玉ネギなどの空気を含んだようなシャキシャキ感のある軽快感がないので、密度の濃い味がずっと連続してしまうというか・・・食べていて後半になると、やや息抜きが必要な感じも受ける。

食べていて、このスープ、ラーメン以外の何かに似ている味・・・・と考えていたが、豚骨ベースの豊かな豚の風味、多めの油や背脂の浮く味噌味スープは・・・どことなく「トン汁」を連想させる味だと気付いた。豚バラ肉の旨味と脂をたっぷりと内包し、味噌仕立てになっているやや濃いめの味付けのトン汁と良くダブるテイストを感じるのだ。
スパイス感がなく、味噌と豚の旨味のコラボレーションでじんわりと食べさせる滋味深い味わいは、どこかしら共通項があるように思える。

スープの塩分感はそれほど強くなく、むしろ穏やかなほどであり、後味的には喉が渇いたりすることもなく、あれほどはっきりした味噌味を感じたスープとしては意外に軽快なほどでもある。
お店を出てから10分ほどすると、胃の中から、味噌に使われていた大豆の風味と麹の風味が甦って来るような・・・・・後味が心地よく感じられた。


(麺は完食。スープは5割飲んだ。)










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