ラーメン&つけ麺食べ歩き
ぶちうま
(東京都 新宿区)
店名 広島つけ麺 ぶちうま(ぶちうま) 住所等 東京都新宿区三栄町7-5 【地図表示】 禁煙 タバコ可否不明 訪問日 2005年8月上旬 つけ麺(1玉、辛さ5)900円 + しめ100円
〜広島つけめん ぶちうま〜
(各写真はクリックで拡大します)
四谷駅から三栄通りを徒歩4分ほど・・。
途中を右へ入った路地でお店の看板を発見。
営業時間や定休日などが出ています。
この看板の左側にお店が・・。
看板の先にお店を発見しました。
ちょっと隠れ家的なシチュエーションですな。
「広島つけ麺」のお店です。
店頭には待ち客用のベンチも。
店先に真っ赤な唐辛子が干してありますた。
つけ汁に使うのかな。
店頭に置かれていたメニュー。
つけ麺オンリーのお店です。
「辛さ」が1〜40段階で指定できますぞ。
店内は「竹」を生かした造り。バンブーハウスですな。
カウンターとテーブルが一卓あります。
黒板にもメニュー。
その日に使っているキャベツの産地と作り手を掲示。
つけ麺を1玉、辛さ5でオーダーしました。
「しめ」のライスも注文。
2005年8月上旬 つけ麺(1玉、辛さ5)900円 + しめ100円
うむ・・・これが「広島つけ麺」ですか。
イタリアンぽくもあり・・・エスニックぽくもあり・・・
どこかしら多国籍な味と食感ですな。
「ガッツリ」と硬い細麺は無類の印象深い歯応え。
つけ汁は唐辛子の辛さとトマトやレモンの酸味がパーフェクトにマッチ。
今まで私の持っていた「つけ麺」の概念をことごとく打ち破る
まさしくカルチャーショックな一杯です。
白ゴマがたっぷりと浮いたつけ汁。
辛さ5倍で、「ピリリ」と鮮烈な透明感のある辛味。
口当たりはすっきりして、自然な酸味はトマトを使っているとか。
最大の特徴はこの「麺」でしょう。
一切の弾力や粘りがなく、口の中を大きくうねるような力強いハリ、
強いアゴの力を必要とする相当にソリッドなコシ。
よーく噛み砕くと、粉臭さがあふれ返り、穀物風味が全開に。
つけ汁に浸けても麺の食感は「頑として」変化せず。
形状記憶合金のように原形を保とうとする感じで、
「ワサワサ」「ゴワゴワ」とする硬めの口当たり。
「しめ」のライスを投入してもらったところ。
無垢で優しい白飯を前にして、スープの様々な旨味があぶり出される感じ。
レモンの爽やかな酸味がとても良く合いますね。
2005年8月上旬 つけ麺(1玉、辛さ5)900円 + しめ100円
2003年11月にオープンした広島つけ麺のお店。店名の「ぶちうま」とは、広島の方言で「凄く美味い」と言う意味らしい。
広島県と言うと「お好み焼き」「ヤキソバ」と言うイメージがあるが、最近では「広島風つけ麺」も新たな名物になっていると言う。唐辛子と白ゴマをたっぷり使った辛いつけ汁と、よく冷やした細麺にキャベツやキュウリなどの冷たい野菜を載せて食べるのが特徴のようだ。
ちなみに、インターネットで「広島つけ麺」と検索したら、すごい数のお店がヒットして驚いたが、都内ではまだ珍しいのではないだろうか。
こちらのお店では、つけ汁の辛さが1〜40まで選べるようになっていて、メニューには辛さの弱い方は「1」、辛さの好きな方は「10」と書かれていたので、とりあえず「5」としてみた。頼めば途中で辛味を追加もしてくれるようだ。
白っぽいストレート麺が、平皿に盛り付けられ、野菜がたっぷりと載せられていると、ちょっとイタリアンパスタ風に見える。
しかし、この麺・・・・箸でつかんでも、動こうとしないと言うか、微動だにしないと言うか・・・・形状記憶合金のように原形を保とうとする感じで、「ワサワサ」「ゴワゴワ」と、かなりソリッドな感触が箸を通して伝わって来る。
まずは何も浸けず麺だけを食べてみると、その独特の硬い歯応えに、一瞬、「生煮え?」と思ってしまった。
しかし、事前に他サイトなどの評判で麺が独特の硬さと伺っていたので、これが本来の仕上がりのようだ。もし事前に知らなければ、生煮えと勘違いしてしまったかも知れないほどに、モチモチした粘りやプリプリする躍動感がなく、ほとんど水分を含んでいないような「超低加水」の麺である。
「茹でた」と言うよりも、むしろ「しけった」とでも言えそうな食感で、歯で噛むと「グニッ、グニッ」とねじ切れるような感じになり、口の中を大きくうねるような力強いハリ、強いアゴの力を必要とする相当にソリッドなコシである。アゴに力を入れて「カツカツ」「コツコツ」と噛み潰す感じになるのだが、更によーく噛み砕いてゆくと粉っぽさが目立って来て、すり潰されたようなサラサラとした粒状感とともに、まさに穀物風味が全開になる。
例えるなら、博多系の低加水細麺を、「粉落とし」「ハリガネ」などの、最も硬めに茹でた時の歯応えに近い・・・と思う。
しかし、博多ラーメン等では、どれだけ硬めに茹でても、熱いスープに麺が浸っているので次第に柔らかくなるのだが、こちらは、麺が冷たい皿に乗った状態なので、いつまで経ってもその硬さが維持され続けているところに大きな違いがある。
超低加水のせいなのか、麺を飲み込んだ後に「いがらっぽい」ような、「えぐっぽい」ような・・・口の奥にチリチリする刺激が残って、それを緩和するためか唾液が次々に出て来る。本場の広島でもこう言った硬めの麺が主流なのかは判らないが、私の長い食べ歩きの中でもこう言った食味の麺は初めてであり、何とも「インパクト大」である。
つけ汁は、辛さ5倍としたので、「ピリリ」としたパンチのある唐辛子の辛味が効いているが、鮮烈な透明感のある辛味である。ベースは豚骨のようだが、口当たりはすっきりした感じで、自然な酸味も感じられるのはどうやらトマトを使っているらしい。ゴマがたっぷりと浮いているが、あまり存在感は感じなかった。
味的にはやや酸味の効いた辛味が中心で、すっきりした感じのせいか、意外に麺とからまない感じである。麺や野菜をつけ汁にたっぷりと浸けても、つけ汁がサラッとしているので、撥水してしまうようなイメージなのだ。硬めの麺との組合せとしては、もう少し汁にドロリとした粘度があるとからみが良くなると思えた。
チャーシューは、タレがかかり、冷たくなっていて、その食感はちょうどローストピーフのようだ。冷たい状態のため、脂肪が活性化しておらず、モグモグとする弾性のある食感になっている。このチャーシューで麺をクルリとくるみ、つけ汁にたっぷり浸して食べると、肉の風味が加わって、厚みのある味になって美味しい。
玉子はサラリとした黄身、淡白な白身ともに、辛味のあるつけ汁の口直しに丁度良いと思えた。
「茹でキャベツ」は、きちんと熱が通っていて、一切れ食べる分には、丁度良い硬さなのであるが、これを数片まとめて麺と一緒にほおばると、結構な歯応えの強さ、硬さが生まれて来る。
複雑な立体形状をしたキャベツの葉は、波打ったトタン板が容易には折れ曲がらないのと同じように、数片が重なり合うとお互いが支え合うような構造になって、「パキュッ、バキュ」と、噛み砕くのにかなりアゴのパワーを使う感じになってしまう。
しっかりとした肉厚のキャベツで、とても良い品なのだと思うし、辛味の中和にも一役買っているとは思うものの、もともと硬いしっかりした麺に、肉厚のキャベツや、白髪ネギ、キュウリなど、食感の強いものを重ねているので、口の中でそれらがモゴモゴとあふれ返り、私には結構ハードに感じられてしまった。
特にキャベツの食感や存在感が大きく感じられ、一緒に食べると、せっかくの麺も影が薄くなってしまうほどであった。
後半、つけ汁にレモンを搾り入れると、キレのあるすっぱい酸味が加わって、さらに美味しくなる。卓上の酢も入れてみたが、ともかくレモンの爽やかな酸味がとても良く合う。
こちらではスープ割の代わりに、つけ汁に白飯を投入して食べるのがお薦めらしい。
実際、「しめ」の白飯が非常にこのつけ汁と合う。それまでは、硬い麺との組合せではあまり汁をからめない感じで、辛味がメインに目立っていたが、柔らかな白飯はスープをたっぷりと良く吸い込み、その雑味のない無垢なる味わいの白飯、あっさり素直で淡白な白米の純度の前に、まるであぶり出されるようにつけ汁の様々な旨味が姿を現して来て、「このつけ汁、こんなに美味しかったんだ・・・」と思わせられた。
レモンや酢の酸味と辛味の効いたつけ汁に複雑な旨味がからむ様は、どことなくエスニックな趣きがあり、タイのレッドカレーなどを連想させられる美味しさなのだ。
今回は、最も少量のライスを頼んだため、サラリと食べ終えてしまったが、これならば200円の「めし(大)」を頼んで、カレールーのようにご飯にかけて食べれば、さらにつけ汁の美味しいダシをじっくりと堪能できると思う。添加物感のないつけ汁は、辛さとともにとてもきれいな旨味を持っていて、後口が爽やかである。
会計時にフルーツ味のキャンディをくれたのだが、その甘味がつけ汁の辛味を実に心地よく中和してくれる。辛さ5倍でもなかなかの辛さであった。
ともかく、麺、具、つけ汁と・・・今まで私が持っていた「つけ麺」の固定観念を大きく覆された感じで、結構なカルチャーショックを受けた。
特に麺の食感については、やや好みが別れそうにも思えるが、何回か食べると意外にハマってしまうのかも知れない。実際、昼時を外しているにも関わらず次々とお客さんが来店し、この場所でこれだけ流行っているのだから、多くの人に広く「受け入れられている」のは間違いないのだろうと思う。
(麺は完食。スープ割はせず。)
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