ラーメン&つけ麺食べ歩き
べんてん
(東京都 豊島区)
店名 |
自家製中華ソバ べんてん(べんてん) |
住所等 |
東京都豊島区高田3-10-21 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可否不明 |
訪問日 |
2004年5月下旬 つけ麺 750円 |
2004年7月下旬 ラーメン 700円 |
2004年9月中旬 辛つけ 800円 |
〜べんてん その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
JR高田馬場駅から徒歩3分ほど。
神田川沿いに「その店」はある。
住所は新宿区ではなく豊島区になります。
うぅ、「のれん」が・・・。
いや、既にのれんの「痕跡」という感じですが、
なぜか新しくしようとしませんな。
縒羅莎縛底(弁天様の意)と書かれていたはず。
営業時間。
2004年5月から平日は夜9時までに大幅延長!
以前は夕方4時頃に終わっていたので
随分行きやすくなりましたぞ。
店内はカウンターのみ12席程。
店のあちこちに小麦粉の袋が積まれ、
奥に製麺機がおいてあります。
メニュー。
「大盛」の量は1Kgです。
初めての方はご遠慮下さいと書いてあります。( ´∀`)
普通の「つけめん」をオーダー。
店主さんはお留守でしたが、
お弟子さん3人はなかなかの働きぶりです。
2004年5月下旬 つけめん 750円
個人的には、
麺、つけ汁、具、と、いずれをとっても
まさに間違いなく「日本屈指」と確信している。
ただただ、心から崇拝してやまない、至高の「つけ麺」。
【動画1】(約1.5MB)
「つけ麺」用の麺の茹で上がりシーン。
大きなカゴに入れて冷水シンクで冷やします。
べんてんの「冷水締め」はいつも完璧ですな。
【動画2】(約3.2MB)
圧巻の麺盛りシーン(BGM付)。
奥は並盛ですが、手前の二つが「中盛」です。
「中盛」、なんつー麺の多さ (w
2004年5月下旬 つけめん 750円
数あるつけ麺の中で、私の中ではここ数年来「別格」として君臨しているお店。
事実、世間での人気もすさまじいものがあり、このお店を目当てに高田馬場に集う熱烈なファンも数知れないようだ。自称、「つけ麺マニア」にこそお薦めしたい超実力店。
2年位前に店内を改装してきれいになったが、今ではまたすっかり落ち着いた雰囲気になっている。客席の奥に製麺機が置いてあり、店内には小麦粉の袋などが置かれていて、ちょっとごちゃごちゃと狭い感じ。席数はカウンターのみ12席ほど。以前は午後4時頃で終了してしまって、いつ行っても大行列で1時間待ちが普通だったが、2003年に平日の営業時間を夕方7時まで延長、随分混雑が緩和され、さらに2004年の5月10日から平日は夜9時までに営業時間が延長された(スープ切れ等で早仕舞いもあり)。あわせて価格改定され50円ずつ値上がりしていた。
営業時間の延長が味に影響を与えなければ良いがと思いつつ、さっそく入店。
なみなみと盛り付けられた麺を箸ですくってみると、四角い断面の中太麺は思っているほどは極太ではなく、歯応えは固すぎず柔らかすぎず、モチモチ、プリプリ、ツルツルと心地よい食感。噛み締めてみれば小麦の風味や練り込まれた玉子のほんのりした甘味があふれ出る秀逸なもの。
冷水で丁寧に締められており、水切りも完璧、無粋なヌメリやカンスイ臭などとは金輪際「無縁」の素晴らしい「麺」。
これがたっぷりと盛り付けられている。
そして、この麺を一層際立たせてやまないのが、この「つけ汁」であり、到底他店にはマネのできないまさに「別格」のつけ汁である。
「豚」の肉の旨味が濃密に溶け込んだつけ汁には、砂糖のほのかな甘味と、酢によるたおやかな酸味が加わり、食べ始めてから後は、もう、まさに「忘我」の境地・・・。
食べ終わるまでは目の前の器以外、周囲の景色がまったく目に入らない。これは「べんてん」で食べた多くの客が経験している体験だと思う。
豚以外にも、鶏による丸味や口当たりの柔らかさがあり、また酸味のあるカツオ節系の風味、煮干の風味なども感じるが、基本的にはすべての素材がどっしりと腰を据えており、完璧に一体化している。
この「確かな」素材感のスープが何よりべんてんの魅力だ。
中心には濃い目の醤油ダレが鉄柱のごとく「芯」を形成して、麺を浸けても浸けても、まったく味がブレることがない。そして、砂糖のほのかな心地よい甘味が食べる幸福感を招来し、煮干と思われるわずかな苦味とニンニクによる辛気が最後まで飽きさせず大量の麺を平らげさせる。しかも、これだけインパクトがあるにもかかわらず塩分や化学調味料やラードが極控えめなのもすごいと思う。
時折、細切りのチャーシューが麺にまぎれて一緒に口に入って来たときなど、さらにスープの「肉」の旨味と風味が強調されて、頭の中はもう「エンドルフィン全開」である。
短冊状のチャーシューがどっさり入っているが、甘辛く味付けされたチャーシューは国産豚の肩ロースの生肉を使っていると思われる相当に上等なもので、ホロホロ崩れる繊維感の心地よい赤身とトロトロの脂身がすこぶる美味しい。メンマはシャキシャキの柔らかさと、コリコリの歯応えが絶妙にバランスするこれまた逸品。ネギも田舎の大地でのびのびと育ったような「壮健さ」がある美味しさ。
ボリュームでごまかすことがなく、麺や具のひとつひとつが、素材選び、調理とも、非常に丁寧になされている。そして全体として見事にバランスし、統一感を持っている。
最後にスープ割を頼むと、これがまたダメ押し的に「うまい」。すでに満足&満腹状態のところへ「トドメ」をさされる感じの「おいしさ」。
べんてんは非常においしい上に、とても量が多い事でも有名だ。麺の量は、普通盛りで350gだが、中盛りにすると650g、大盛りは1000gにもなってしまう。通常のラーメンはほぼ150g位だから、ものすごい量である。さらに、べんてんは他店と違って「つけ汁」自体にもかなりコクと具のボリュームがあり、どっさりとチャーシューやメンマが入って来るので、麺の量だけで決めてしまうと大変なことになる。時折、中盛にチャレンジしている人を見かけるが、結局、食べ切るのにかなり苦労して「汗びっしょり」「足元ふらふら」になって口を押さえ、壁に寄りかかりながら退店していく人を見かける。やはり常人であれば並盛りがいいと思う。小食の人は、「並盛りの麺少なめ」というのも頼める。
また万一、チャーシュー麺やチャーシューつけめんなどを注文しようものなら、そのチャーシューの量は、もう「勘弁して下さい」と言ってしまうほど大量に積み上げられて載って来る。
それでも、チャーシューもネギも絶品のため、チャーシューメンやネギラーメン等、とても人気があり、早めの時間に行かないと売り切れてしまい、普通のラーメンもしくは普通のつけ麺しかオーダーできないことがよくある。
(麺は完食。スープ割も完飲。)
↓続きあり
〜べんてん その2〜
「しばらくの間は中休みが入ります」の貼り紙。
ちなみに16:30の再開と同時に
ワラワラと客がやって来て即満席でした。
お店の奥にある製麺機。
まるで「御神体」のような存在感ですな。
奥のドアはトイレです。
2004年7月下旬 ラーメン 700円
つけ麺とはまた違った美味しさがありますね。
動物系と魚介系が、がっぷりと四つに組んだような
あくまでも重厚で濃いめのスープ。
動物素材から抽出されたゼラチンが膜状に浮いています。
麺はとても上品かつスムーズに感じますね。
適量の魚粉が浮くスープ。
肉と魚のまさに無敵連合軍。
全方向に隙のない重戦車の如し。
独特な「低反発&均質」の歯応え。
スムースでジェントルな喉越し。
滑らかで、驚くほどに上品な出来の麺。
固めの讃岐ウドンに近い印象も。
2004年7月下旬 ラーメン 700円
ほぼ2カ月ぶり、午後3時半頃に訪問。するとノレンが出ておらず、なんと午後2時半から4時半まで「休憩時間」(平日のみ)と貼り紙が・・・・。
おそらく、7〜8月は、高田馬場の大学や専門学校が夏休みに入るため、付近の学生が客の大半を占める「べんてん」としては、この時期だけ中休みを入れる事にしたのだろうか。
4時半に入店、今回はラーメンをオーダーしてみた。「べんてん」でラーメンを注文するのは、なんと初訪問の時に食べて以来で、実にほぼ6年振りである。実際、客の2〜3割はラーメンをオーダーしているので、決して不人気と言う事ではないのだが、一度食べたつけ麺があまりに美味しくて、私の中ではすっかり「べんてん=つけ麺」となってしまっていた。
登場したラーメンは、基本的にはつけ麺のつけ汁と同一のスープである。レンゲ一杯目から、これはただならぬ「手合い」であることが容易に判る。スープの密度感とそのバランスが素晴らしい。動物系と魚介系が、どちらが勝つ事もなく、かといってせめぎ合いをやめている訳ではなく、まさにいずれ劣らず力が「拮抗」している感じである。東西の名横綱同士が、優勝争いの一番で力いっぱい「がっぷり」と四つに組んだような重厚な味の構図とでも言えるだろうか。
ふくよかな醤油ダレがしっかりと太い芯を成し、出汁としては豚骨、鶏、カツオなどと共に煮干が結構感じられ、適度な脂と、多少の魚粉やゼラチンも浮いていて、優しい甘味も付けられている。ほのかな弱い酸味もある。つけ麺に比べると化学調味料も増量されているようだ。いずれにしてもこれらのすべてが、長年のキャリアを感じさせる「絶妙」なさじ加減で見事に仕上げられていて、その熟練具合に実に感心させられる。
しかし、最初から魚介系のスープが入っているせいか、「肉の深ーいコク」「脳内ホルモン分泌系の美味さ」という点では、やはりつけ麺の「つけ汁」の方に軍配が上がるかも知れない。
なんでも、物の本によると、肉の旨味成分の一つには、人間の脳内で「幸福感をもたらすホルモン」を分泌させる作用、つまり「肉」にはホルモンレベルでえも言われぬ幸福感を招へいする力があるそうである。
麺はラーメンスープの中に入ると、つけ麺とはまた異なった表情を見せてくれる。ツルツルとか、モチモチという食感ではなく、独特な「低反発&均質」の滑らかさで、驚くほどに上品な食感である。最近、どこかでこれと同じ麺を食べたと思ったら、一ヶ月ほど前に「五行」(港区)で食べたやたらと美味しい自家製麺とほぼ同じ食感と思った。五行の麺をもっと太くしてボリュームを出した感じ。
やはり、ホイップ系のデザートであるムースとか、ババロアをもっと固めに作って、それを麺の形に引き伸ばしたような、非常に「低反発」な滑らかさで、かつ、麺の全体が見事に「均質」でスムースな食感である。すすると「シュルシュル」という感じ、噛み締めると、とても優しくジェントルに歯を受け入れてくれる。つけ麺の時と異なって、ラーメンのスープの中では、この麺はちょっと讃岐ウドンのようなテイストにも感じられた。
肩ロースのチャーシューは大判ではあるが、意外にもやや薄めに切られていた。やはり、もう少し厚みがあった方が麺のボリュームと良く均衡すると思う。メンマはいつもどおりのシャキシャキ美味しいもので、やや甘めのタレをたっぷりと内包している。
全体としては、やや濃い目の味付けであるが、決して「過剰」や「過激」なのではなく、まるで、レースで勝つためのにはアクセルを踏むだけではなく、ブレーキの使い方、駆け引き、ペース配分なども「知り尽くしている」ベテランF1レーサーの見事なドライビングを見ているようだ。すべての素材が破格の量感を持ちながらも、きちんと「躾けられている」感じなのである。
ただ、今回、他のお客さんが頼んでいた「つけ麺中盛」や「チャーシューメン」などを見ていたら、何となく今回はいつもよりは「盛り」が少なく思えた。店主の田中さんもおらず、店員さんも普段の3人ではなく2人しかいなかった。やはり、作る人によって、どうしても差が出てしまうのはある程度仕方のないことなのだろうか。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
↓続きあり
〜べんてん その3〜
午前中は、やっぱり混んでますね。
12人待ちで、50分後に入店。
直接お店前に並ばず、川沿いに並ぶルール。
着席してさらに店内で20分待ち・・。
中盛オーダーが続くと、
作るのも、食べるのも、とても時間がかかるので、
客の回転がかなーり落ちますな。
2004年9月中旬 辛つけ 800円
「動物」、「魚介」、「辛味」、の超パワフル三兄弟が、
がっちりと強力スクラムを組んだ怒涛のパワー。
無類の「旨味」と「辛味」の
素晴らしい黄金タッグの誕生ですね。
つけ汁の強大なエネルギー感、パワー感、ヒートアップ感、を
ほんのり上品な甘さのあるスムースな太麺が、
実に優しく大らかに受け止めてくれます。
絶妙に低反発なコシ、非常に滑らかな歯応え。
小麦素材がまるで分子レベルで均質化されたような
ウルトラ・スムースな口当たりは、まさに「究極の逸品」。
一口目から強引に「べんてんワールド」へ引き込まれてしまう。
食べ手に「考える余裕」を一切与えない美味さ。
まさに、「ジェットコースター・テイスト」。
なんつー「濃密」さ ( ´∀`)
濃密なラー油の分厚い辛さは、「ピリリ」ではなく、
「ド、ド、ドーン」と来る大地震的なへビィなタイプ。
桜海老の香りと味が絶妙アクセント。
かなりつけ汁を減らしてからスープ割しました。
青唐辛子のような清涼感のあるライトな辛味ではなく、
濃密に渦巻く辛味と旨味の「重合体」的スープ。
【動画】(約2.9MB)
べんてん「5〜6人前」麺の投入と盛り付けシーン。
よーく麺をほぐしてから鍋に入れます。
さすが「中盛」の量は多いですな。
2004年9月中旬 辛つけ 800円
午前中に訪問すると、12名ほどの行列。最後尾に付くが、しかし、並び始めてから20分以上も一人も客がお店から出て来ない。中盛などを頼む客が集中すると、食べ終わるまでにかなりの時間がかかって、客の回転がストップしてしまう事がよくある。結局、入店まで50分を要した。店内に入ってから、さらに20分待ち。
初めての「辛つけ」にチャレンジ。どうやら2003年にメニューに加わったものらしい。
まずは麺だけを何もつけずに食べてみると、実に優しく、実にふくよかな口当たりであり、硬い麺でもなく、柔らかい麺でもなく、あくまで「上質」な麺という印象。特に、その絶妙に低反発なコシ、非常に滑らかな歯応えには、いつもながらに驚かされてしまう。
まるで、小麦粉の粒子が分子レベルにまで踏み込んで、完璧に「均質化」され、すべての分子が見事に「均一に」整列したような「ウルトラ・スムース」な口当たりの素晴らしさが非常に印象的。
まさにすべてのつけ麺好きを「とりこ」にしてやまない、「究極」「無類」の完成度である。
さらに、噛み締めれば、ほんのりとしたデリケートな甘さのあるとても上品な味わいの麺であり、育ちの良さを感じさせるようなジェントルで清清しい風味、実に気品に満ちた端整な造りの麺である。
一方のつけ汁は、器の半分だけ辛味系の素材が浮いており、これはおそらく普通のつけ汁に、「辛味ダレ」のトッピングをしたような感じに見て取れた。
よく見れば複雑な香辛料や薬味が濃密に溶け込んでいる非常に「高い粘度」を感じる濃いラー油であるが、麺を一つかみ浸けて食べてみると、「ピリリ」とするキレや清涼感のあるライトな辛味ではなく、「ジワジワ」と鈍く始まって、数秒の後に「ドドドドーン」と衝撃がやって来る分厚いパワフルな辛さだ。まるでマグニチュード「7」クラスの大地震のような、いかにも「べんてん」らしい辛味の伝わり方である。
しかし、パワフルに「辛い」が、同時に見事に均衡するようにダシ素材の分厚い「旨味」が感じられるため、「辛いけど旨い」という実に理想的な状態になる。そのバランスが見事なうえに、大変に高いレベルで均衡しているのは、「さすが」としか言いようがない。
そして直後、辛さの中に、「ある風味」が存在している事に気付く。何かの甲殻類を焦がしたようなとても芳ばしい風味と味わい・・・。
よく見ると、つけ汁の中に小さな桜海老が、色はすっかり黒っぽくなっているので気付かなかったが、原型のままでいくつも入っていた。
この桜海老風味は小さいながらもなかなか芯が太いもので、味のイメージ的には、「佃煮」にした桜海老を、フライパンで十分に炒め焦がして、甘味と風味と香ばしさを強く出したような感じ。また、ラー油には唐辛子、ゴマ油だけでなく、揚げニンニクや焦がしネギなども使っているような複雑で濃い風味がある。そのため、単純な辛さだけでなく、濃厚で非常に香ばしい風味が漂っている。
この複雑な辛味のせいで、普通のつけ麺と比較すれば、ダシ素材の旨味や醤油ダレ自体はじっくり味わえなくなってはいるが、ともかく、それ以上に、この辛味つけ汁には、食べ手に、「有無を言わせない」、「考える余裕を一切与えない」、強引な「ジェット・コースター的」美味しさがある。
しかも、この高密度な旨味と辛味の熱々でパワフルな「つけ汁」が、無垢で上品な味わいの優しく冷たい「極太麺」と、まさに絶妙な「コントラスト」となっていて、お互いに相手を見事に引き立てあっている。
まさに、「動」から「静」へ、「熱」から「冷」へ、「辛」から「甘」へ・・・・、つけ汁の強大なエネルギー感、パワー感、ヒートアップ感、をほんのり上品な甘さのあるスムースな美味しい麺が、実に優しく大らかに受け止めてくれているのだ。何と言う組合せの「妙味」だろう。
気が付けば、まるでマシーンのように一気に食べ尽くしてしまっていた。この普通盛りでも350gの麺量であるが、それをわずか5〜6口で食べ切ってしまったのだから、「そうさせてしまう」つけ汁のインパクトぶりが判ろうかと言うものだ。
食べ終わっても、まだまだ大量に残っている辛味つけ汁を目の前にして、これなら「中盛」にすればよかったと後悔した。中盛は麺量650gであるが、この辛味つけ汁がパートナーであるなら楽勝にも思えてしまう。
そのままスープ割すると辛すぎると思われたので、残った辛味つけ汁を半分ほど麺皿の方へ移して減らしてから、スープ割をお願いした。
「丸長」(目白)のような清涼感のある辛味で爽快な味わいのスープになるかと予想したが、全く予想に反して、かなり重量級の図太い辛味スープである。素材の旨味、ダシの分厚さとともに、やはり、「べんてん」は決して「ライト」にはならないことを改めて思い知る。
辛く、重厚な、旨味たっぷりのスープをすべて飲み干すと、やはり「べんてん」以外では体験不可能な、まさに「筆舌に尽くせない」深い満足感、幸福感に襲われる。
ただ、今回ちょっと気になったのは、短冊切りにされたチャーシューが、以前と比較してかなり「細く」なっており、かつ「量」もだいぶ控えめに感じられたこと。また、メンマもシャキシャキ、コリコリと大変美味しいものの、やはりちょっと少なく感じられた。今年5月に値上げを実施した後でもあるだけに、具の少なさにはちょっと肩透かしの印象を受けてしまった。
今回、辛味がトッピングされる「辛つけ」だから具が少なめだったのか、もしくはたまたまの単なる「ブレ」なのか、それとも従来の路線そのものを変更したのかは判らない。
しかし、良心的な価格で、「麺」、「つけ汁」、「具」と、いずれ劣らぬ「猛者」がパーフェクトに勢ぞろいする所こそが、「べんてん」の揺るがぬ魅力の一つでもあるだけに、何とか今後も長らく「変わらないべんてん」であって欲しいと、心から強く願ってやまない。
(麺は完食。スープ割も完飲。)
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