ラーメン&つけ麺食べ歩き
阿波家
(栃木県 下都賀郡)
店名 中華そば 阿波家(あわや) 住所等 栃木県下都賀郡野木町大字友沼5905-16 【地図表示】 禁煙 タバコ可(灰皿あり) 訪問日 2006年1月上旬 塩ラーメン 600円
阿波家中華そば 900円
〜阿波家 その1〜
(各写真はクリックで拡大します)
お店に到着しました。
お店の向かい側が駐車場です。
JR宇都宮線の野木駅から歩くと15分ほど。
おぉ・・・このノレンを見たかったぜ。
「三顧の礼」を尽くしますた (TーT*)。
店内には大きな提灯や楽しいパロディがあちこちに。
座敷席へ一緒に「シュワッチ!しましょう。」
と書かれております。
右手に広がるお座敷。
地鶏研究会お約束の銘木製テーブル。
メニューです。営業時間と定休日も。
毎年8月は食材漁のため休業なんですな・・・。
「塩ラーメン」と「阿波家中華そば」を注文。
厨房は壁で仕切られています。
座敷には漫画の単行本がズラリ。
2006年1月上旬 塩ラーメン 600円
美味しさが極めて「明快で軽快」。
アレコレあまりいじらず、ストレートでライトウエイトにまとめられた塩味。
くどくどせず、「サクッ」と食べられる感じですな。
スープはちょっとミステリアスな・・・「澄んだ湖」のような味。
まるで吸い込まれるような旨味、美味しさ・・・
に夢中になってしまいますた。
「鶏」の旨味が「ドドーン・・・」と前面に出たスープではなく、
カツオ出汁とのコラボの「妙味」を感じます。
「穏やか」路線をどこまでも素直に追求している印象。
麺は小麦と卵の風味が非常に穏やかながらも豊かに感じられる。
すすると「ユルーリ・・・」と、ゆったりとした柔らかめの口当たり。
穏やかでナチュラルなノド越しはやや「なで肩」的イメージ。
2006年1月上旬 塩ラーメン 600円
2006年の「麺始め」は、念願の宿題店である栃木県「阿波家」を訪問。
言わずと知れた地鶏研究会「本店」である。去年、遠路遥々二度訪問するも、いずれも休業日に当たってしまい涙を呑んだ・・・。
以前は茨城県にあって「さくら家」として営業していたが、2001年10月にこちらへ移転し、店名も変えてリニューアルオープンした経緯がある。店内は、手前にカウンター席、中央にテーブル席、奥が座敷席となっている。地鶏研究会お約束の銘木製テーブルがしつらえられ、「ネギ大将阿波家」(古河市)同様に、ところどころ楽しいパロディが描かれている。
スープは一口目、鶏ガラによるものなのかグルタミン酸系の旨味が感じられる。
塩ダレはまろやかで、ミネラル豊富な藻塩を使っているらしいが、さらに何か一つ、二つ、隠し味があるようなちょっと未知なるミステリアスな旨味をまとっている。タレに貝のエキスなどを使っていると言う話も聞くので、その貝の旨味かも知れない。
そしてすぐに気付くのは、鶏だけでなく、カツオ等の大型魚の旨味を感じる事だ。
もっと「鶏」の旨味と「鶏油」のコクが「ドドーン・・・・」と前面に出たスープを想像していたのだが、スープに溶け込んだ旨味の4割近くはカツオ出汁のように感じられ、ちょっと意表を突かれた気持ちになる。
ただ、ギミックとかインパクト狙いと言う感じは一切なく、スープの温度が控えめだった事もあるが、全体的には実に「ふんわり」とした優しい飲み口で、「穏やか」な旨味をどこまでも素直に追求しているスープと言う印象・・・。
麺はかなりゆったりとした柔らかめの口当たりで、小麦と卵の風味が非常に穏やかながらも豊かに感じられる優しいタッチフィールの麺である。
とても穏やかでナチュラルなノド越しは心地良いものの、「ユルユル、ユルーリ・・・」とする柔らかめのコシで、「クタッ」とする寸前のような食感は昨今の「硬め」流行を抜きにして考えても、さすがにちょっと大人しすぎるように感じられる。ただ後で判るのだが、この辺りのやや「なで肩」的な味わいが、どうやらこちらのお店の目指す味のスタイルであるようだ。
肩ロースのチャーシューはふっくら、ホックリとしていて歯の通りが良い。そして、味が強すぎず、穏やかにジワーッと伝わって来るナチュラルで優しい旨味、大きめではあるが脇役としての立場を良く心得ている印象。メンマからはゴマ油が浮くようだが、さほどスープの味には影響していなかった。
そうして食べ進んでいるうちに、「ふっ・・・」と気付くと、いつの間にか器の底が現れ・・・・麺もスープもすっかり食べ尽くしてしまっていた。なぜか後半の記憶がほとんどない・・・・。
よくよく思い返してみると、スープはあれこれといじられておらず、非常に「澄んだ湖」のような不思議な旨味を湛えている感じで、まさに吸い込まれるような旨味、美味しさ・・・についつい夢中になってしまっていたようだ。旨味は必要十分にして余計なダブ付きがなく、具や薬味もシンプルであり、美味しさが極めて「明快で軽快」、まるで100m短距離走のライトウエイト・ランナーの走りのような・・・・あっと言う間の決着、スタートからゴールまで障害物が一切置かれていなかったようなイメージを受けた。
食べ手に「食べている時間を忘れさせる味・・・・」、よくよく考えてみると、これは実に凄い事だと思う。
(麺は完食。スープも完飲。)
↓続きあり
〜阿波家 その2〜
同上日 阿波家中華そば 900円
沢山の具が乗る「阿波家」中華そばです。
実にマイペースと申しますか・・・変に気取らず、セカセカせず・・・
全体に「ゆったり」としたカントリー調テイスト。
手作り感が満載の鶏団子、珍しい豚タン(豚の舌)からも
ほど良いローカル色を感じます。
食べていて「一息つく」感じになれる優しいラーメンですね。
醤油スープもやはり鶏だけでなくカツオの風味とのコラボレーション。
どこまでも穏やかで喉の通りがスムーズなスープです。
やや醤油ダレの醸造風味が残って感じられます。
「ユルーリ」とした緩く優しい食感の麺。
小麦の旨味が良く出ています。
コシやハリ重視なら「麺硬め」オーダーもいいかも。
手作りムード満点のコーチン鶏団子です。
鶏肉ミンチ、軟骨、白ゴマ、桜海老などが練り込まれ、
プチプチ、コリコリ、サラサラと食感も味も賑やか。
珍しい豚タン(豚の舌)です。初めて食べますた。
短い肉の繊維が一方向にきれいに揃った肉質が独特。
同上日 阿波家中華そば 900円
続けて、店名を冠した沢山の具が乗る「阿波家中華そば」を食べる。
厨房が少しだけ見えるのだが、麺を茹で上げ、スープとともに丼に入れた後に、チャーシューを一枚一枚包丁で丁寧に切って乗せている・・・。
スープと麺を味わってみると、こちらも明らかに温度が控えめで、かつ、麺が柔らかめである。スープ温度は多めのチャーシューが乗ったからと言うよりも、塩ラーメンの時とほぼ同温度であったので、どうやらお店としてこの温度を目指しているように思える。
結構、醤油ダレの醸造風味が残って感じられ、ちょっとだけアルコールっぽい刺激がある気がする。スープはやはり鶏だけでなくカツオの風味とサラサラする微細な粉のようなものがうっすらと舌に感じられる。メンマから流れ出たのか、ちょっとゴマ油のようなものが浮いて見えたが、さほどゴマ風味は感じられない。こちらも、やはりインパクトはさほどではないが、いじられ過ぎていない穏やかで喉の通りのスムーズな美味しいスープである。
飲んでいて、なぜか「めんじゃらけ」(埼玉県)のスープを思い出した。「めんじゃらけ」では塩ラーメンを食べたが、鶏と魚介の組合せによる味が似ている。同じ地鶏研究会関連店なので不思議はないが・・・。
麺は塩ラーメンと同様に「ユルーリ」とした緩い口当たり。
小麦の旨味は良く出ているものの、私的好みとしてはやはりコシやハリがもう少し欲しい気がする。
以前食べた「米屋」(群馬県)でも麺硬めオーダーにしたら激旨になった事を思い出し、二杯目は「麺硬め」でオーダーすればよかったとちょっと後悔した。
もう少し麺が硬めで、きちんと「主張する」感じがあると全体がシャキッとすると思うし、スープの温度も冬場はもう少し高くするなどしても良いと思う。
沢山乗って来る肩ロースのチャーシューは、やはりいずれもふっくらとしていて、味が強すぎず弱すぎず、気楽に食べられ、食べ疲れしない絶妙な美味しさ。鶏団子はプチプチ、コリコリ、サラサラと食感も味も随分と賑やか。よくよく見ると鶏肉ミンチ、軟骨、白ゴマ、桜海老などが練り込まれている。形が不揃いできめが粗く、モゴモゴする噛み応えはいかにも手作りムード満点だ。鶏肉はコーチンを使っているらしい。
牛タンは食べた事があるが豚タンは初めて。タン(舌)に特有の短い肉の繊維が一方向にきれいに揃った肉質が独特で、食感的には面白いが、脂肪が一切ないせいか味わい的には淡白である。
店頭の看板には屋台の絵と共に、「なつかしの中華そば」と書かれていたが、昔の中華そばのような「鶏ガラに青ネギ」と言うトラッド路線ではなく、カツオなどの大型魚の旨味と組合せた「妙味」を追求しているようにも思える。
ちなみに地鶏研究会本部のHPを拝見すると、研究会全体としては高知県「土佐ジロー」を始め、徳島県の地鶏や福島県の伊達地鶏、そしてコーチン鶏や栃木軍鶏等まで、いろいろな鶏を扱っているようだ。また、カツオ風味が感じられたのはどうやら生カツオの頭の天日塩干しを使用したものらしい。
そうして二杯目を食べ終わる頃、何となくこちらのお店の目指しているものが見えて来たような気がした。
食べる前は、遠路より訪ねたことや、「地鶏研究会本店」と言うことで、ラーメンフリーク向けの「ガツンッ」と来るインパクト重視の味を目指しているのかと思っていたが、さにあらず。
実にマイペースと言うか・・・変に気取らず、セカセカせず・・・どこにも妙な「力み」や「計算高さ」のない、あくまで地元志向で、どこかしらカントリー調のゆったりとした味わいだと言う事だ。
そして・・・この飾らない日常食的な、全体に「ゆったり」とした味の造り込みこそが、何よりの魅力のようにも思える。
何と言っても、これほど、食べていて全身がリラックスして「一息つく」感じになれる、心から「なごめる」優しくて美味しいラーメンなど・・・なかなかないと思う。
(麺は完食。スープは8割飲んだ。)
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