ラーメン＆つけ麺食べ歩き
嗟哉
（東京都 渋谷区）

2005年9月下旬　塩ラーメン　680円

厳選素材と無化調のスープ、そして自家製麺の美味しさで知られるお店。
以前は「玄」（秋葉原）の関連店として「玄」の看板を掲げていたようだが、2003年5月に「嗟哉」として全面リニューアルしたそうで、今ではすっかり独自路線を歩んでいるようだ。
店頭に立つと「嗟哉」と豚骨専門の「内藤」の二つの営業時間が案内されていて、ちょっとびっくりした。どうやら時間帯でメニューを変える「二毛作」営業のようである。
こちらのお店、「地雷源」（杉並区）や「元祖ばさらか」（渋谷区）とのコラボレーションなどもしていて、かなり活動的で研究熱心なお店と言う印象がある。

ラーメンは広口の器に入って登場した。
スープは一口飲んだ時点で・・・実に様々な旨味が「漲（みなぎ）っている」感じ。
色々な素材がしっかりと溶け込んでいて、さらに揚げネギ類の香ばしい芳香が加わり、さらに塩ダレが図太くビシイッと効いていて、かなーり「気合」が入っているスープと言う印象だ。天然素材の旨味がゆっくりとジワジワ立ち上がって来るスローなスープではなく、最初からグイグイと「力」で押して来る骨太なパンチのあるスープである。
ただ、ちょっと力みすぎていると言うか、気合が入りすぎていると言うか・・・ややしょっぱめに感じられる。残暑のせいもあるのかも知れないが、せっかくの出汁をゆっくりと味わうには、塩ダレがやや濃すぎる気がしないでもない。その分、曖昧さが排除され、誰にでも判り易い明瞭な味になっている訳だが、やや強引な味付けと言うか、性急過ぎると言うか・・・・「インパクト」を追求するあまり、ちょっとだけ勇み足になっているようなイメージを受けた。

自家製の細麺は実に驚愕の美味しさ。
表面がツルンツルンで摩擦係数が限りなく「ゼロ」に近いと言う感じで、まるでミクロン単位まで磨き込まれた「鏡面仕上げ」のような、非常に上品で滑らかな口当たりを持つ麺だ。
軽く「ツルッ」とすすっただけで、一気に「スルルルルーーンッ」とスムースに口中に流れ込んで来る。何と言う「スルスル」した麺だろうか。噛んでみると玉子を沢山使っているような感じもあるが、カンスイ臭がまったく感じられないので、ちょっと「そうめん」のようなすすり心地にも感じられる。また、軽い口当たりではあるのだが、きちんとハリがあり、長めのサイズとも相まって割と重量感があり、十分なすすり心地も備えている。

具のチャーシューは、濃厚な豚の旨味が内包され、ふっくらジューシーでありながら筋肉質な感じで、かつ、ややワイルドな風味のある非常に美味しいもの。相当に高価な豚肉を使っている感じで、部分によってはややしょっぱさを感じるが、ワイルドな旨味の肉質や調理法は出身店の「玄」のチャーシューを彷彿とさせる。
メンマは細切りサイズで、グニグニ、ボリボリとする・・・ややねじ切れるような食感。やや苦みばしったような独特な味付けとともに、これも出身店の「玄」の系譜を感じさせられる。
小松菜はパキ、シャリ、パキ、シャリ、と歯応えが新鮮であり、味はあまり濃くないが土臭さの感じられるもの。笹切りネギは食感がはっきりしていて歯に触るが、少量なので気になるほどではなく、良いアクセントになっていた。

食べ終わってみると、やはり自家製麺の美味しさが印象に残っている。
自家製麺はサイズなどを変えて何種類か用意されているようなのだが、スープも素材感が濃厚であることを考えると、この美味しい麺をぜひとも「つけ麺」で食べてみたくなる。
また、チャーシューの素晴らしい肉質と絶品的な味付けを考えると、サイドメニューの「チャーシュー丼」なども大いに気になるところだ。


（麺は完食。スープは４割飲んだ。）

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