〓音楽CDを10倍楽しむ〓
ミュージックセラピー“道”

「名曲は名医」「音楽は聴く薬」
ピュアオーディオと究極の癒し系CD集!

「ミュージックセラピー道」は癒し系音楽を10倍楽しむための
ヒーリングCD紹介&ピュアオーディオノウハウ集です。






 1.音楽の持つ偉大なる癒しのパワー

実に、ピュアオーディオ歴10年超!
「ミュージックセラピー道」は、過去、ピュアオーディオに膨大な費用と時間を費やし、無数の音楽CDをことごとく愛聴し尽くして来たピュアオーディオ・フリークが、今こそ明かす、「癒し系音楽を10倍楽しむ!」ための超テクニック集です !!

人の歌声には聴く者の心に直接訴える強い力があります。仕事や人間関係のストレスで疲れ果てた・・・・現代人の心身を癒すパワーが音楽にあるとすれば、実に素晴らしいことです。
音楽の持つ癒しのパワーは、人間だけでなく動物や植物も音楽に反応する事実でも理解する事ができます。乳牛に音楽を聴かせると乳の出が明らかに良くなったり、野菜や果物を育てるのにクラッシック音楽をかけるとストレスが緩和され、健康に大きく育つと言われていますし、ワインや日本酒などでも醸造蔵内でモーツアルトをかけると味が良くなるとして実践している酒蔵もあります。

また、古代エジプト人は音楽を「魂の薬」と考えていたと言いますし、古代ギリシャの著名な哲学者であり医学にも精通していたアリストテレスは、「音楽」に明確な医学的価値を与えていて「魂が恍惚(こうこつ)状態にまで高揚させられる音楽を聴いた後には、あたかも医療的処置を経験したかのように心身が正常な状態に戻る」と述べています。このように心身に溜まったストレスを排泄し、苦悩やモヤモヤをすっかり吐き出して、スッキリさせることをアリストテレスは「カタルシス効果」(魂の浄化)と言っていたようです。

科学的な薬や外科的な手術に頼らず、音楽の持つこのような「癒しの力」を利用して心身のコンディションを正常化させ、実際に病気を治そうという試みは昔から存在していますし、現代においても欧米では実際に医療行為に取り入れられています。ズバリ、それが「音楽療法」(ミュージック・セラピー)です。
ストレス解消のヒーリング音楽というと、モーツアルトに代表されるクラシック音楽や、小鳥のさえずり、川のせせらぎの音などの環境音楽ばかりと思われがちですが、近年の研究では、ロックでも、演歌でも、ヒップホップでも、その人が好きな音楽であれば、どのような音楽でも心身のリラックス&ストレス解消の効果がある事が判って来ました。

私も「お気に入りの一枚」を聴いている時は、まるで花畑を歩いているかのような、森の爽やかな緑に囲まれているかのような・・・・「ほんわか」として落ち着いた平穏な気持ちになれます。
そんな「ミュージックセラピー」の魅惑の世界を、貴方もぜひ体験してみませんか・・・?





 2.癒し系CDアルバム紹介

ここでは、そんな私が普段から愛聴しているお気に入りのCDの中から、「これぞ一生モノ!」と言う特にお気に入りの癒し系CDを紹介したいと思います。


CDタイトルとアーティスト コ   メ   ン   ト

「The Greatest Hits」

-Whitney Houston-

「ザ・グレイテスト・ヒッツ」
ホイットニー・ヒューストン
「Whitney Houston」(ホイットニー・ヒューストン)の15年のキャリアの集大成、まさに「グレイテスト・ヒッツ」の名が相応しい2枚組ベストアルバムです。
2000年リリースで、ディスク1は『Cool Down』と題した彼女の足跡をたどる年代順ラブバラードの名曲集、ディスク2は『Throw Down』と題したビートの効いたダンス系リミックスバージョン集です。
スロー・ラブ・バラードの「女王」に君臨するホイットニーの魅力は、何よりスケールの大きさを感じさせる偉大なる歌唱力と別格の表現力、そして歌唱の奥に秘めたホイットニー自身の熱い情熱と生き様を余すことなく聴き手へと伝えて来る事でしょう。彼女のドラマチックな歌声を聴いて感銘を受けない人など果たして存在するのでしょうか。聴き手の耳も、思考も、魂も・・・ガッチリと掴み、奮い立たせ、そして涙させる・・・。わずか数分間の音楽なのに、まるで3時間の大作映画を丸々一本見たかのような深い感銘を受けてしまいます。
ディスク1は、デビュー曲の『You Give Good Love』に始まり、優しくきれいな歌い回しの『Greatest Love of All』、波間に漂うかのように心地よくスウイングするメロディラインの『Where Do Broken Hearts Go』、“ラントゥユー”の一節が圧倒的な質量で押し寄せ、熱く体の中を突き抜けてゆく『Run to You』、などなどが特に聴きどころでしょう。また、大ヒット映画「ボディガード」のタイトル曲『I Will Always Love You』は全米シングルチャートで14週連続No.1と言う驚異の大記録を樹立したホイットニー最大のヒット曲です。
そして同じくホイットニー主演の映画「ため息つかせて」のサントラに使われた『Exhale (Shoop Shoop)』はこのアルバムで最も好きな曲。従来のスケール大きくドラマティックに歌い回す歌唱法から、あふれ出る情感を込めながらも切々と歌い上げる大人のホイットニーを感じ取る事が出来ます。同じくサントラからの抜粋『Why Does It Hurt So Bad』も最高。「歌」でここまで自身の心情描写をしてしまう力に感服してしまいます。
さらに、デボラ・コックスとのデュエット『Same Script, Different Cast』は絶品の心地よいアンニュイ感を醸し出す一曲。最後はエンリケ・イグレシアスとのデュエット、ラテン調のノレる曲『Could I Have This Kiss Forever』で切なくも熱く締めてくれます。
全体に録音の音質状態は普通ですが、いずれの曲も聴き始めるとその旋律と歌声に、一瞬にして強引にホイットニーの世界へ引き込まれてしまいます。
聴けば聴くほどに、頭の中はもう「エンドルフィン全開」状態、抗いがたい激しい恍惚感に全身が襲われる・・・言うなれば超絶「エクスタシー・ボイス」。
そして全編に渡って単なるゴスペル・バラードと一線を画すのはキュートなホイットニー自身の女性としての魅力が大きいと思います。
なお、ディスク2『Throw Down』は全曲がダンサブルでアップテンポな曲です。リミックスの過程でいろいろいじってしまったのか、ポータブルプレイヤー等で聴くには最高ですが、ピュアオーディオで聴くとやや録音状態が気になります。

「Waiting To Exhale」
Original Soundtrack Album


映画「ため息つかせて」
オリジナル・サウンドトラック
1995年製作のアメリカ映画「Waiting to Exhale」(邦題:ため息つかせて)のオリジナルサウンドトラックCDです。
すべての曲が超大物ミュージシャンでありプロデューサーでもある「Baby face」(ベビー・フェイス)のプロデュース。全体に録音の音質状態は普通ですが、ホイットニー・ヒューストンを筆頭に全16曲の豪華ラインナップ。トニー・ブラクストンの『Let It Flow』、アレサ・フランクリンの『It Hurts Like Hell』、ブランディーの『Sittin' up in My Room』、チャカ・カーンの『My Funny Valentine』、シャンテ・ムーアの『Wey U』、フェイス・エバンスの『Kissing You』などなど、R&B界の名立たる女性ビッグアーティストが一堂に勢揃いして参加しているCDです。
『Exhale (Shoop Shoop)』と『Why Does It Hurt So Bad』は上の「グレイテスト・ヒッツ」とかぶっています。いずれの曲も聴き応えたっぷりですが、私的にはラストのWhitney Houston & CeCe Winansのデュエット『Count On Me』の一曲をどうしても聴きたくて購入しました。
「堰」を切ったように始まるイントロ・・・優しい歌声とロマンチックなメロディライン、くすぐるような心地よいファルセットボイスでのデュエット、まさに聴けば聴くほど・・・魔法にかかったように全身の力がゆっくりと抜けて行き、ラストの美しいリフレインが流れて来る頃にはすっかり魂が開放される感じに・・・。クリスマスイヴ等に聴いたら最高の一曲でしょう。

「Here's to Ben」

-Jacintha-

「ベン・ウェブスターに捧ぐ」
ジャシンタ
世界のジャズ・シーンを震撼させるアジアの誇る歌姫「Jacintha」(ジャシンタ)の代表的な名盤です。
Jacinthaはシンガポールを中心に活躍するジャズシンガーですが、ともかくその超官能的な歌声と豊かな声量、そして群を抜く録音の音質状態のハイレベルさで、再生オーディオ機器の実力を測るリファレンスCDとしても良く登場します。実際このCDの超絶ピュアサウンドを聴くと、他のCDは聴きたくなくなってしまうほど素晴らしい「音質」です。
「曲がいい、演奏がいい、歌がいい、声がいい、そして何より・・・何よりも音がいい。」 まるで「美しい音の世界」の住人になったような・・・・いつもの日常が遠い場所に感じられてしまう不思議な感覚です。そのあまりに艶と深みと透明感のあるサウンドにショックを受けたほどです。
ただ、それなりの高音質アンプや優れたスピーカーでないとこのCDの実力を引き出す事は難しいと思います。ポータブルプレイヤーやミニコンポ、純正カーステレオ等で聴いても凡庸に聴こえてしまうかも知れません。
スロージャズが大半を占めますが、特にお気に入りは、いきなり出だしから鳥肌が立つほどの「セクシャル・ボイス」が炸裂する『Georgia on My Mind』、きれいなメロディラインに乗って虹の広がる丘の憧憬を目の前に浮かび上がらせる『Over the Rainbow』、そして聴き手を究極の官能の世界へと誘ってくれる『Danny Boy』・・・・がお気に入りです。艶っぽい「女」を感じさせる声でめいっぱい情感を込めて歌っています。その情感たっぷりの抗えないボイスの波状攻撃の前ににさらされて生理的エクスタシーに包まれます。聴き終われば、魂のモヤモヤがきれいさっぱり洗われてしまっている事に気付きます。波間をゆったりとたゆたゆような・・・・言葉にならない何とも言えない心地よい感覚・・・に全身が包み込まれます。まさしく必聴の一枚でしょう。

「Autumn Leaves」

-Jacintha-

「枯葉」
ジャシンタ
上の「Here's to Ben」と並ぶ「Jacintha」(ジャシンタ)の代表的なアルバムです。
気だるい雰囲気の曲が多く、やや冗長的に感じられる気もしますが、いずれも素晴らしいJacinthaの艶っぽい歌声を堪能できる曲ばかりです。特に、『Moon River』は8分32秒にも及ぶロングバージョンながら、切々と歌い上げるJacinthaの甘く切ない歌声に、全身の毛がゆっくりと逆立ち・・・次第に身震いが止まらなくなります。こちらも録音音質は上記「Here's to Ben」同様の超絶ピュアサウンド。「純な音」の持つ力と可能性をとことん堪能できます。

「A Song for You, Karen」

-Jeremy Monteiro Trio-

「ア・ソング・フォー・ユー, カレン」
ジェレミー・モンテイロ・トリオ
「Jacintha」(ジャシンタ)の超官能的な歌声でカーペンターズの名曲ナンバーをトリビュートした、何とも贅沢な、ある意味「究極」の名盤CDです。若くして世を去ったカーペンターズの「karen」へ捧げられた一枚です。
Jeremy Monteiro Trio with special guests : Jacintha and Two for Brazil, vocalsと言う事でJeremy Monteiroがアレンジメントとピアノを担当し、ボーカルの入らないインストルメントの曲も混じります。聴かせどころは『For all we know』と『A song for you』の2曲でしょう。カレンの歌声をカバーするのではなく、ジャシンサ自身のバラード調の歌い回しで切々と歌い上げています。そのボーカルは・・・心にじんわりと浸透してくる・・・・ゆっくりと魂に沁み入ってくる甘くもあり切なくもある・・・まさに「官能」の歌声です。
インストルメントの曲もピアノとサックスの優しい音色が、聴き手の複雑に絡み合った心を優しくゆっくりと解きほぐしてくれますね。まさしく「心の清涼剤」と言えるアルバム。
ジャケット表紙に挟んで添えられたピンクの封筒には「karen」への手紙が入っていると言う何ともロマンチックな演出も。録音音質もハイレベル。

「All My Loving」

-Jheena Lodwick-

「オール・マイ・ラビング」
ジーナ・ロドウィック

上記Jacinthaと並ぶアジアの誇る歌姫、幼少の頃より音楽の英才教育を受け、香港を中心に活躍する女性ボーカリスト「Jheena Lodwick」(ジーナ・ロドウィック)のファースト・アルバムです。
特に、かの有名なベートーヴェン第九「歓喜の歌」からの一曲『Emerald City』は、もうイントロ部分から一瞬にして「金縛り」です。まさに堂々と全身全霊を使って歌い上げるソウルフルで鬼気迫る迫真のボーカルには思わず鳥肌が立ち、身震いさえ覚えるほど。聴き手のすべての邪気を祓(はら)ってくれる・・・・神がかり的ボイス・・・・そんなイメージです。ビートルズナンバーの『All My Loving』は軽快なテンポと優しいボーカルで一息つくのにぴったり。アイルランド民謡の『Danny Boy』は上記Jacintha(ジャシンタ)も「Here's to Ben」で歌っていますが、いずれ劣らぬ「絶品」ボーカル。二人を聴き比べてみるのも良いと思います。Jheena Lodwickの方はどこかしら「母性愛」や「温もり」(ぬくもり)を感じさせる声質で、耳に心地よい子守唄のような優しい歌い方です。録音レベルもハイレベル。

「Feelings...」

-Jheena Lodwick-

「フィーリングス...」
ジーナ・ロドウィック
上記「Jheena Lodwick」(ジーナ・ロドウィック)のセカンド・アルバムになります。
天性の歌声にますます磨きがかかり、いよいよ才能を全開にさせた感のある名曲ぞろいの魅惑のアルバム。数々のポップス曲のスタンダードナンバーを絶品の歌唱力で驚くほど見事に歌い上げています。
健気な女を感じさせる歌声が悩ましくも切ない『I Don't Know How to Love Him』、ビートルズの人気ナンバー『Imagine』も聴いていて心が和みます。ランディ・ヴァンウォーマーの『Just When I Needed You Most』は連音する難しい歌詞を爽やかなメロディに乗って完璧に歌いこなし、ホイットニー・ヒューストンの『I'll Always Love You』も、しっとりとしたボーカルで静かに始まり、次第に情感を込めつつラストへ向かって徐々に盛り上げてゆく様子に彼女のずば抜けた才能の片鱗が窺えます。なお、『I'll Always Love You』では途中の3分40秒付近での「And I will always love you・・・」の歌声がどれだけ美しく再生できるかで・・・今お使いのオーディオ機器の実力が判るかも知れません。ダン・ヒルの『Sometimes When We Touch』では緩急自在のメロディラインに乗って彼女の歌声が散りばめられて行きます。
録音レベルもハイレベルで本当に言うことなし。

「Gold」
35th Anniversary Edition

-The Carpenters-

「ゴールド 35周年版」
ザ・カーペンターズ
ご存知、カーペンターズの2枚組ベストセレクション・アルバム。
兄のリチャードと妹のカレン、あまりに偉大なミュージシャン兄妹ゆえに「ベスト盤」の類も数多く出されていますが、カーペンターズを聴くなら、デビュー35周年を記念して発売された「ベスト・オブ・ザベスト」と称されるこの2枚組ベストアルバムが最もお薦めだと思います。いずれも珠玉の全40曲は想像以上に聴き応え満点です。
カレンの歌声には聴く者の心を浄化してしまう不思議な力(カタルシス効果)が間違いなくありますね。まさにこの世にただ一人だけ神から授けられた天賦の「美声」の持ち主でしょう。カレンの歌声は永遠の心の恋人です。
『Yesterday Once More』、『Close to You』、『Superstar』、『Top of the World』などの有名曲ももちろん良いですが、敢えてこのベスト盤の中で私的に一曲を選ぶとすれば・・・・うーん・・・・『Make Believe It's Your First Time』ですね。出だしのメロディラインの美しさと、その後に続くカレンの宝石のような光り輝く澄んだ甘い歌声は、心の奥深くへ甘いハチミツを注がれるかのような・・・魂が打ち震える甘美なピュアハニー・ボイスです。心地良さを通り越してまるで昇天してしまうかのような幸福感と浮遊感を体験させてくれます。
他には『Solitaire』も大好きです。悲しい歌詞の内容のためカレン自身はあまり歌いたがらなかったと言うエピソードが残っているようですが、何かを訴えようとしているような・・・いつになくシリアスなカレンの歌声からは人生の本当に大切な事を改めて見つめ直させようとしているかのような説得力にあふれています。
それと、ディスク1のラストを飾る『Calling Occupants of Interplanetary Craft』もいつもと違ったカレンの歌声が新しい魅力を引き出しています。他には『This Masquerade』、『All You Get from Love Is a Love Song』、『 I Just Fall in Love Again』、『 I Won't Last a Day Without You』、『Mr. Guder』辺りが特にお気に入りです。
録音の音質状態は普通ですが、まったく古さを感じさせないのはさすがです。昼夜を問わず、ともかく癒されたい時、心安ぎたい時、仕事の疲れや悩みを一掃したい時・・・「心が洗われる」イチ押しの超名盤です。

「The Best Of Sissel」

-Sissel-

「ザ・ベスト・オブ・シセル」
シセル
ノルウェイの生んだクリスタルボイスの女神「Sissel」(シセル・シルシェブー)のベストセレクション・アルバムです。
「天使の歌声」の名を欲しいままにする彼女。凛としてどこまでも美しく伸びる透明感あふれる澄み切った歌声は決して他の誰にもマネができないでしょう。映画『タイタニック』のサントラでも活躍し世界を魅了しました。「Sissel」の魅力はなんと言っても、透明で、繊細で、柔らかで、のびやかで、どこか幻想的な・・・その歌声にこそあると思います。そう言う意味でも『Summer Snow』と『Seven Angels』は彼女の持てる魅力と実力が全開になっている2曲です。荘厳な賛美歌を想わせる『Alma Redemtoris』は聴き終わると神聖な気持ちにさせられます。ピアノが透明な空気感を醸す中にシセルの歌声が美しく高らかに舞う『Here, There and Everywhere』は以前コーヒーのテレビCMでも使われた爽やかな曲。バックコーラスと声を合わせて声高らかに歌い上げる『Amazing Grace』を聴くと生きる力を分けてもらえる気がします。意表を突くラップ調に仕上げられた『Prince Igor』はシセルの新しい魅力が全開になった一曲。
1994年のリレハンメル冬季オリンピックの開会式でシセルが歌った公式テーマ曲『Fire in Your Heart』は勇ましい曲調と歌詞が聴く者の元気と闘志を呼び覚ましてくれます。
他にクラッシックな曲やミサ風の曲、北欧の民族音楽などもあり、十分な聴き応えはさすが「ベスト盤」と言えます。
録音の音質状態はポータブルプレイヤーやミニコンポ程度で聴くのには十分ですが、本来の歌声が素晴らし過ぎることもあり、ピュアオーディオで聴くと録音音質がもっと良ければ・・・・と思う時もあります。

「Dreaming」

-Amanda Mcbroom-

「ドリーミング」
アマンダ・マックブルーム
映画「ザ・ローズ」の主題歌となった『The Rose』の大ヒットで知られる「Amanda Mcbroom」(アマンダ・マックブルーム)のアルバムです。
彼女の声はソフィスティケイトされた非常に気品のある優しい歌声で、ブレステージな貴婦人を想わせるスウィートメロウ・ボイスです。決して声を張らず、どこまでも滑らかなボーカルは、例えるならまるで甘い生ホイップクリームの滑らかで柔らかな舌触りのよう。
どっぷりと深く浸って「聴かせる」と言うよりも、BGM的にリラックスして聴いて癒されるイージーリスニング的な曲が多いです。
収録曲はいずれも粒ぞろいですが、中でも特に『When Hearts Collide』がイチ押しですね。こんなに耳に心地よく聴ける曲も珍しいと思います。他にCDタイトルにもなっている『Dreaming』、情感のこもった『The Rose』、ちょっともの悲しい旋律が美しい『Ship in a Bottle』などがお気に入りです。
録音の音質状態も良い方ですし、彼女の歌声、特にソプラノ領域の声が何とも言えずフェミニンで非常に美しいのが印象的です。

「Warm Your Heart」

-Aaron Neville-

「ウォーム・ユア・ハート」
アーロン・ネビル
女性ボーカルばかりになってしまったので・・・最後に男性ボーカルものを紹介します。
ジャズの本場、米国ルイジアナ州ニューオリンズ市生まれの「Aaron Neville」(アーロン・ネビル)の代表的な名盤です。アーロンの魅力は、R&Bとカントリーを融合させたような音楽性、地声と裏声とを刻々と交錯させて歌い上げてゆく独特な歌唱法、そして何と言っても、その暖かく、優しく、甘く、切なく、憂いに満ちた・・・スウィートテンダー・ボイスにあると思います。
ルイジアナの悲しい洪水災害を嘆いた『Louisiana 1927』では、その魂の叫びに心を打たれます。『Don't Go, Please Stay』では鈴の音のようなファルセットボイスを聴かせてくれます。リンダ・ロンシュタットとのスーパーデュオ『Close Your Eyes』では二人の掛け合いが絶品。『Ave Maria』では震えるような声で実にしんみりと聴かせてくれます。
全体を通して絶妙にカントリーっぽいテイストがあり、聴いていて大いなるルイジアナの大地に夕日が沈んでゆくシーンが瞼に浮かんで来ます。このCDを毎晩眠りに付く前に愛聴している人も多いようです。
録音音質もかなり良いので嬉しいです。ジャケット写真がセピア調のため古そうに見えますが1991年リリースのアルバムです。

※コメントはあくまで個人的な感想です。誠に恐れ入りますが万人が同じ感想を持つ事を保証するものではありません。





 3.ミュージックセラピーの医学的根拠

しかし、音楽によるこのような療法効果を「気のせい」「根拠がない」と言う人もいるかも知れません。
私自身も、なぜこんなにお気に入りの音楽を聴くとどこまでも深い海にゆっくりと沈んでゆくような心地よい陶酔感が生まれ、その後に心身が「浄化」「解毒」「リセット」されたようになるのか不思議でした。
小説を読んだり、映画やTVドラマを観るのではそのような感覚にはならないのです。「美味しいものを食べると元気が出る」と言うのはありますが、音楽による心の浄化効果に比べるともっとずっと浅い感覚です。

ところが、実は4年ほど前にこの疑問に医学的、科学的な根拠を与えてくれる本に出会いました。
その本こそ、1990年代半ばに出版され空前の大ベストセラーとなった「脳内革命」(春山茂雄著)です。古本屋さんで何気なく買ったのですが、著者は医師であり、自身で病院を経営しています。
内容を要約すると、人間は深くリラックス(心地よい瞑想状態)している時の脳波は「α(アルファ)波」の状態になっている事、そしてこのα波の時の人間の脳内では「β−エンドルフィン」と言う快楽ホルモンが盛んに分泌されている事が解説されているのですが、実はこの「β−エンドルフィン」こそは、麻薬モルヒネの数倍もの幸福感を抱かせる作用を持ち、同時に驚異的な身体の「免疫力増強」と脳細胞や筋肉の「若返り効果」を持つホルモンだと言うのです。しかも麻薬のような悪質な中毒性はありません。心からの「笑い」「快楽」によっても脳内に「β−エンドルフィン」が放出されますので「笑う角には福来る」をホルモンレベルで医学的・科学的に検証し、見事に証明した一冊です。

著者は自身の経営する病院において、入院患者へ心身の深いレベルでのリラクゼーションを施すことで患者の脳内に「α波」を発生させ、「β−エンドルフィン」を盛んに放出させることで、薬を使わずとも、血圧やコレステロールや内臓機能などが劇的に改善したと言う臨床例を複数紹介しています。数々の医学的解説やグラフなども混じり、読めば読むほど、「β−エンドルフィン」の効用の高さは驚異であり、ほとんど不老不死の妙薬、若返りの秘薬、万病に効く仙薬・・・であるかの如き評価がなされ、最終的にまさしく人間にとって「最高&最良の薬」であると結論付けています。
そして、日常生活の中で脳内「エンドルフィン」の放出を自由にコントロールできる術を身に付ければ、病気にならず、若さを保ち、ストレスフリーで、恐いものなしのポジティブ・ライフが送れ、さらに仕事や恋愛などの実生活でも成功してゆけると言う「良循環」を生み出せると説いているのです。

そこで、「ミュージック・セラピー」の登場です。
高価な医療機器や特殊な施設を使わずとも、私たちが最も手軽に、かつ、確実にできる心身の深いレベルでの「リラクゼーション」こそが、「お気に入りの曲を聴いてゆったりと過ごす時間」に他ならないでしょう。
ステレオ機器にCDをセットし、「PLAY」ボタンを押すだけで、これほど手軽に、確実に、自由に、即座に・・・・「β−エンドルフィン体験」が可能なのです。
つまり、まさに「名曲は名医」、「音楽は聴く薬」なのです。お気に入りの音楽を聴いてゆったりと過ごす時間・・・・それは不老不死の妙薬であり、若返りの秘薬であり、万病に効く仙薬・・・という事になります。
まさに現代医学の脳内ホルモン作用の仕組みの解明により、ミュージックセラピーの仕組みと効果、その根拠が証明されたと言えましょう。

したがって、毎日の生活の中でお気に入りの曲を2〜3曲ゆっくりと聴く、そんなにミュージックセラピーの時間をわずか10〜15分程度取り入れるだけで、いつまでも若々しく病気知らずの順調な人生を送れることになります。
「非常に強烈な幸福感」(=β−エンドルフィンの放出)は、貴方を生き生きとさせ、目が輝き、やる気や自信に満ち溢れます。
ミュージックセラピーによりもたらされるこの「強烈な幸福感」を、「現実逃避」と考えるのではなく、むしろ現実社会で24時間戦うための、非常に強力な味方であり、数分で始まり、数分で終了する現代人の「エネルギー充電器」「明日への活力源」「リフレッシュ装置」と考えるべきだと思います。





 4.良い曲を「良い音響機器」で聴く事が大切

私の持っているCDの枚数やオーディオ機器を見た人に、「よほど音楽が好きなんですね?」「それともオーディオ機器そのものが趣味なんですか?」・・・・と訪ねられる事も良くあります。
しかし、ここまで読んで来て頂いて、うすうすお気づきかと思うのですが、私が求めているもの、欲しているものは、実は「音楽でもなければ、オーディオでもない」と言うのが正直なところです。
そう、実はそれらによって現出される脳内の「アルファ波」の世界、そしてその際に脳内に放出されるめくるめく「脳内モルヒネ」(β−エンドルフィン)の甘美な蜜の味、さらにはその究極の万能薬によりもたらされる心身の「カタルシス」(魂の浄化)こそが、私のオーディオ遍歴の原動力に他なりません。

もっと沢山の「アルファ波」を出すCDはないか?もっと沢山の「β−エンドルフィン」を出せるスピーカーはないか?もっと強い「魂の浄化」を得るにはどういう音楽を聴けばよいか・・・・。
それほどに「エンドルフィン」=「非常に強烈な幸福感」なのです。違法な麻薬とは異なり、人間なら誰しももともと脳内に持っている無害なホルモンです。

ところで、お気に入りの曲を携帯型ヘッドホンステレオで聴いたり、家庭用の普及型ミニコンポなどで聴くのも良いですが、もし可能であれば、ある程度高価なピュアオーディオ装置を使って、収録されている「音」のすべてを限りなく100%に近く引き出して「耳で聴く」のではなく「全身で浴びる」ように聴く事が、脳内モルヒネの最も確実な出し方だと思います。

つまり、全身全霊がピュアなサウンドに「浸りきる」「耽(ふけ)りきる」・・・状態、その感覚です。
実は素晴らしいピュアな「音」は、それだけで人を感動させる力があります。歌声による癒しに加え、「純な音」そのものにも癒しのパワーがあるのです。つまり「サウンドセラピー」です。

ポータブルプレイヤーで何気なく聴いていたCDでも、例えれば左右セットで30〜50万円クラスのスピーカーで聴いてみると、到底同じCDとは思えない「純音」となります。
隠されていた音、埋もれていた音の一つ一つが余すことなく眼前に展開され、部屋の空気感が一変し、信じ難い身震いが起き、魂が揺さぶられ、全身の毛が逆立ち、背筋が凍り、脳髄に熱いものが走る・・・・ほどの、全く別の「曲」に感じられたりします。
それはそうでしょう、何しろスピーカーもこの価格帯ともなれば世界の名立たるオーディオメーカーが「聴き手をいかに魅了し感動させるか」を念頭に、あらゆるノウハウを注ぎ込み、深い「音楽感銘」を呼ぶための音作りが入念になされているからです。当然ですが、3〜5万円クラスのスピーカーとは出て来る音のレベルや世界が全く異なります。まさに世界中のオーディオ・フィルの「心を揺さぶる」実力派ぞろいの価格帯のスピーカーと言えるでしょう。

もちろん、オーディオ機器に30〜50万円も出すと言うのは、普通の感覚で言えば明らかに「高い」と感じることでしょう。
そこで私は、圧倒的な音楽感銘を生み出す「ピュア・オーディオ」は、単なるオーディオなのではなく、「アルファ波&エンドルフィン製造装置」なのだと考えることとし、病気や老化を防いでくれる人間にとって「最高の良薬」、そして同時に非常に強力な快感をもたらすホルモン「β−エンドルフィン」、それらを確実、かつ、容易に手に入れるための装置を購入する「投資」として割り切って考える事にしています。





 5.ピュアオーディオ直伝「良い音を聴く10のテクニック」

だからと言って、すぐに30〜50万円クラスのスピーカーを購入することは簡単ではないでしょうから、ちょっとした工夫や、あまり費用をかけずに今お持ちのホームオーディオをグーンと「良い音」にするピュアオーディオの丸秘テクニックを公開します。ぜひご参考にして下さい。


(1)スピーカーは左右等間隔で平行にして間には何も置かない。
左右のスピーカーの距離が異なれば、当然ですが左右の音が同時に耳に届かず(タイムラグ)、音の量もちぐはぐになって(ボリュームラグ)、きれいなステレオ感が出ません。必ず左右のスピーカーの中央で聴くようにします。また、左右のスピーカーの間に出っぱるようにテレビやラックを置くのは左右の音の自然なつながりを遮ってしまうので良くありません。

(2)スピーカーは耳の高さに合わせる。
リスニングポジションをとったら、スピーカーが自分の耳の高さと同じになるように設置して下さい。中域や低域の音はある程度広がって伝わりますが、高域の音波は直進性(指向性)が非常に高く、耳の高さに合っていないと高域が不足してしまいます。音のピントや解像度は高域に大きく依存していますので、高域が不足すると輪郭のぼやけた音になってしまいます。

(3)スピーカーは壁から離す。
スピーカーを壁に密着させて設置している人がいますが、それは間違いです。スピーカーはコーン紙(振動幕)を前後に振幅させて音の波を作る構造です。ですので前に向かって出した音と全く同等の音を後ろに向かって出しています。箱に入っていても箱を共鳴させながら後ろ向きの音を出しています。ですのでスピーカーの後方や横を壁で遮ってしまうとスピーカーからの本来の音以外に反射音までも聴く事になり音が濁ってしまいます。特にある程度大きなスピーカーは、ある程度広い部屋へ設置する必要があります。

(4)スピーカーは振動しない台へ置く。
スピーカーはコーン紙を振動させて音波を発生させます。きれいな音楽再生のためにはコーン紙は非常に精密に振動しなければなりません。ところがスピーカー自身がグラグラする所へ置かれていると、特に大きな低音などを再生した際にスピーカー自身が揺れてしまい、結果としてコーン面の正確な振動を維持できなくなります。どんなに文字のきれいな人でも、地震で体全体が揺れていてはきれいな文字が書けないのと同じ理由です。スピーカー置き場としてがっしりした板の間などが良いですが、畳やじゅうたんなどのフカフカする物は好ましくありません。そのような場合は頑丈なラックやブロック台を組んだり、分厚い大理石の板などを敷いて、その上へ置くようにします。

(5)ケーブル類の端子は磨いて締め直す。
音響機器の弱点は電源ケーブル、信号ケーブル、スピーカーケーブルなどの接触面で、ホコリ、脂分、サビ、ゆるみ・・・などによる接触不良が起きやすいことです。こういった接触不良は致命的に音質を劣化させます。接点復活剤などで接点部分を清掃し、良く磨いて電気の通りを良くしましょう。そしてきちんと締め直してみると、それだけで音が格段に良くなる事があります。

(6)電源は壁のコンセントへ直接差し込む。
延長コードを使うと無駄な接点が増えることや細い電線を通る事で電源が劣化します。また、タコ足配線したりすると、他のテレビやパソコンやコタツなどから「ノイズ」が入ってきて、音質が劣化する事がありますので避けましょう。ピュアオーディオでは専用の太くてノイズレスな電源ケーブルと専用コンセントを用意するのが常識になっているほどピュアな電源確保は大切です。

(7)オーディオのある部屋は禁煙にし、ホコリの立たない床や家具にする。
CDの音飛びなどのトラブルでオーディオを修理に出すと、その大半はCDの信号を読むピックアップレンズの汚れだそうです。そしてその汚れの最大の原因がタバコの煙のヤニ、寝具やじゅうたんのホコリなどだそうです。音飛びが出るほどでなくても、タバコの煙やホコリは確実にピックアップの精度を落とし、音楽情報の読み取りにおいてデータ欠落を増やします。音楽情報の欠落はもろに再生の音質劣化に直結します。

(8)窓には厚めの生地のカーテンを引く。
窓ガラスのような平らで硬いものは音を強く反射させてしまい好ましくありません。カーテンで音の強い反射を和らげるとある程度改善できます。また、窓ガラスを通して外へ漏れる音を多少吸音してくれるので近所の方への配慮にもなります。

(9)小音量で聴く時はラウドネスやトーンコントロールで「高音」「低音」を補強する。
深夜など、小音量で再生するとどうしても「高音域」と「低音域」のエネルギーが不足してしまい、平坦なつまらない音になってしまいがちです。小音量で再生する時は、ラウドネスやトーンコントロールで「高音」「低音」を補強するとメリハリのある元気の良い音になります。

(10)ダビングしたCDは使わない。
レンタルCDなどをCD−R等に焼いても決して同じ音質のCDは作れません。読み取り→焼き込みの過程で確実に音楽信号は劣化(欠落)し、ある程度ハイレベルのオーディオ機器で再生するとダビングで作ったCDははっきりと音質が落ちます。お気に入りの曲が入っているCDは、ぜひ新品のCDを購入して大切に聴きましょう。




聴く者の「心を開き」「傷心を治癒する」・・・そんな究極の癒し系CDを探す旅。たった一枚の音楽CDとの出会いが、貴方の日常を大きく変えるかも知れません。
単なる趣味ではなく、健康でストレスフリーの毎日を手に入れるため、「ピュアオーディオ」+「名曲」の組合せによる究極の「エンドルフィン放出マシーン」を手に入れる・・・・これこそがミュージックセラピー道の真の目的であり、究極奥義と心得て下さい。
それでは今夜もベッドに入る前に、お気に入りの「癒しの一曲」を・・・・・。




(2006.1.22 up)









− ミュージックセラピー道 −



本サイトのすべての画像や文章の転載ならびに二次利用を固くお断りします。
本サイト掲載内容は管理人の知る範囲で文章にしたものであり、必ずしも正確性を保証するものではありません。
必ずリンク先サイトの最新情報をご確認のうえ、本サイトとリンク先サイトの情報が相違する場合はリンク先情報をご優先下さい。
万一のトラブルや損害があっても本サイト管理人は一切の責任を負えません。


Copyright (C) 2006
01ch.com
All Rights Reserved.