01ch グルメ食べ歩き
大黒そば
(東京都 豊島区)
店名 |
そば・うどん 大黒そば(だいこくそば) |
住所等 |
東京都豊島区西池袋3-26-6 【地図表示】 |
禁煙 |
タバコ可(灰皿あり) |
訪問日 |
2006年3月下旬 えびかき揚天そば 450円 |
〜大黒そば〜
2006年3月下旬 えびかき揚天そば 450円
今回は、都内でも屈指の「美味しい立ち食いそば店」との呼び声が高い、巷で評判の「大黒そば」(豊島区・池袋駅)さんを訪問してみました。
サラリーマンの強い味方、どんなに忙しくてもふらりと立ち寄れる・・・・多忙な一日の憩いの場所、それが「立ち喰いそば店」でしょう。「駅そば店」「路麺店」等とも呼ばれています。
ただ、「早く」、「安く」・・・・までは大抵のお店はクリアしていると思いますが、残念な事に、「美味しく」・・・・となると、世の「立ち喰いそば店」のほとんどは、立地の良さと低価格にのみ頼っている感じで、「味は二の次、三の次・・・・」と言うお店が多く、なかなか納得の行く「立ち喰い」の味に出会うことは多くありません。
さて、山手線の中でも屈指のビッグターミナル「池袋」には、東口と西口に分かれて多数の「駅そば」「立ち喰いそば」のお店があると思うのですが、インターネットの「そば系」「グルメ系」サイトなどを見ていますと、そんな巨大な池袋エリアの中でも、こちらのお店を「池袋で一、二を争う美味しいお店」として、推す声も多いようです。
池袋駅西口から徒歩2〜3分
お店は池袋駅西口から徒歩2〜3分の距離で、東京芸術劇場と道向かいになります。
駅から歩くと、激辛タンメンで有名な「蒙古タンメン中本池袋店」のすぐ手前になる場所です。
トラッド&シンプルな店構え
お店は、白と黒の看板に、紺色のノレン・・・・と言う、ある意味、「立ち喰いそば」店の典型的トラディショナルな佇まいです。
店名の由来とおぼしき、「大黒様」の絵がドアに描いてあります。
店頭のメニュー
かき揚そばにしようと思っていたのですが、どうやら「えびかき揚天そば」と「げそかき揚天そば」の二種類があるようです。
しばし思案の末、「えびかき揚天そば」に決めました。
椅子付きカウンター形式
いざ、入店です。
ちなみにお店は、「立ち喰いそば」と言うには、椅子もきちんとあり、扉が開け放しと言うこともないので、しっかりと腰を据えて食べることも可能です。奥にもさらに席スペースがあり、結構広めです。
壁に、「生そば使用のため2分(冷やし3分)かかります」と注書きが貼ってありました。
奥には神棚もあります。最近のお店としては貴重でしょう。
良い意味で「昔ながら」と言う雰囲気のお店です。
なま蕎麦の袋が並ぶ厨房
各種の天ぷらがショーケースに入って待機しています。隣には「生蕎麦」の袋が並びます。
会計は手渡しの前金制、配膳や冷水はセルフです。
調理は男女お二人でしたが、てらいのない元気な声で、「いらっしゃい!」、「ありがとうございました!」と言われるのが、嬉しいです。
どこかしら気風の良い「江戸っ子」風で、まるでテレビドラマに登場しそうな位に、見事な店主さんぶりと言うか・・・お二人とも、実に良い「味」、「雰囲気」を出しています。
何だか、昔はこういうお店、たくさんあったと思うのですが・・・・。
最近は、どこのお店もマニュアル的だったり、店員さんが無表情だったりして、こういうハツラツとして「人に味のある」お店は極端に少なくなったような気がします。
「えびかき揚天そば」 450円
さて、いよいよ「えびかき揚天そば」の登場です。
ツユの色が黒々としていますね。醤油の香りが立ち昇り、いかにも「関東のツユ」と言う匂いです。
一口飲んでみると・・・・ツユは、ちょっとピンッと、やはり、「生醤油」が立ったような香りの強さがあり、味的にも醤油(かえし)の味がしっかりと中心に据えられている感じです。
そして、その醤油の風味が消え去るに連れ、ジリジリと出汁の旨味が湧き立って来る感じで、最終的には舌へ積極的に旨味を伝えてくるような味です。
最初は醤油のキレが、やや刺々しいインパクト系の感じも受けますが、決して塩辛いと言う感じではなく、これこそまさしく伝統的「関東のそばツユ」の王道を行く味だと思います。
味付けは「濃い目」で、塩分も決して少なくないと思いますが、後口は、醤油か魚節か・・・ほんのりとキレのある「酸味」が感じられ、同時に穏やかな甘味も感じられます。
蕎麦のアップ
蕎麦は、「まっさら」な表面で、甘皮のツブツブが一切入らない「並み粉」を使ったタイプです。
一口すすってみると・・・・ツルツルと動きが速く軽快なタイプではなく、ちょっと「もっそり」とした動きの重さがあり、意図的に茹で時間が短めなのか・・・一口目は多少硬めに感じられました。
そしてそのためか、ややヌチャヌチャと歯ぬかりするような感じを受けました。
味わい的には、ほとんど蕎麦の実の甘皮が入らないせいか、あまり蕎麦の風味は強くないように思います。
小麦粉の比率もどれ位かは判りませんが、イメージとしてあまり「練り込んでいない」タイプの蕎麦に感じられ、やや粉っぽいと言うか、「昔ながら」の麺と言う印象を受けます。
前半は、やや「のっそり」「もっさり」とした食味ですが、後半になると、蕎麦に熱が通り切ったのか、歯応えも多少柔らかくなり、合わせて歯切れも粘らなくなり、ノド越しも軽くなります。
ただ、それでも私的な好みとしては、もう少し茹で時間を長めにして欲しい気がします。
エビかき揚げ天ぷらのアップ
「えびかき揚天」は、結構厚みがあります。
天ぷらの具はエビ、玉ねぎ、春菊などです。温度は室温になっていて、衣の口当たりは「モソモソ」、中身は「しっとり」としていて、全体にサクサク感は少なめです。
具が多めと言うこともありますが、ほおばると口の中でゴワゴワ、ゴソゴソとする感じがあります。
衣の小麦粉を溶く際に強めに練って、ややグルテンが出てしまって硬くなったような感じがありますが、中盤から次第にツユが染みてゆくと、衣がほぐれるように、柔らかくなります。
太ったエビがたっぷり入っているのが嬉しいですね。ただ、玉ねぎの色などを見ても判るように、かなり高温の油で揚げているようで、そのせいかエビの食感もやや硬めで、素材の香りなどが湧き立つ感じも少なめです。
そして、衣全体に高温揚げによるうっすらとした「焦げ風味」があります。
ただ、むしろ、上品に取り澄ましたような天ぷらではなく、このゴワゴワする食感、そしてこの芳ばしい匂いのかき揚こそが、「立ち喰いそば」のパートナーとしてベストであり、一番好きだと言う人もいると思います。
食べ終わってみて感じたことは・・・・
何と言うか、まず、完全に「関東育ち」の味です。
そして、今なお、「立ち喰い蕎麦」ならではの「心意気」や、古典的な「美学」を色濃く残している「硬派」な蕎麦・・・・と言う印象です。
決してスマートな味ではなく、「今ドキ」の価値観で作られた味ではなく・・・・
どことなく「古風」、「昔気質(むかしかたぎ)」、な一面を感じさせられる蕎麦です。
ある意味、こちらのお店の佇まいや雰囲気とも、「見事に一致する味」ですね。
この味を、「トラディショナル」と受け取るか、「レトロ」と受け取るかは・・・・食べ手次第でしょう。
おそらく、昔からの立ち喰い蕎麦ファンの人の中には、こちらの蕎麦こそが、「立ち喰いそば店」として、まさしく「王道」の蕎麦だと評価する人も多いと思います。
(すべて完食)
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